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[SVC28-P12] 八幡平西部地域における熱発光を用いた地熱探査と熱源位置を求めるインバージョン解析
キーワード:地熱探査、仙岩地熱地域、熱発光(TL)、フィールドワーク、シュミレーション解析、XRD鉱物同定
熱発光(TL:Thermoluminescence)とは、放射線によって蓄積されたエネルギーが、熱によって発光として解放される現象のことである。したがって、地熱地域から採取した岩石に対して室内で熱発光を起こし、その発光強度(TL強度)を分析することで、岩石が被った熱的影響を評価することができる(Tsuchiya et al., 2000、Tsuchiya et al., 2016)。玉川上流の八幡平西部地域において、石英を対象としてTL法により熱源位置の評価を行った。
調査地域である八幡平西部地域に分布する古玉川カルデラ内では、下位から新第三紀の阿仁合層、新第三紀の古玉川溶結凝灰岩、玉川溶結凝灰岩が分布する。この古玉川溶結凝灰岩および玉川溶結凝灰岩に加え、凝灰岩からなる関東ノ沢層は、この地域の地表に広く分布し、これらの地層を中心にサンプリングを行った。その後、熱水変質鉱物を検討するとともにTL測定を行った。そしてこれらの結果を元にインバージョン解析により、熱源位置の推定を試みた。
本地域西部の椈沢周辺では黄鉄鉱が、秋田焼山南部に湧出する見張りの湯付近ではローモンタイトが局所的に分布し、一方、その他のエリアではクリノプチロライトやモンモリロナイトといった低温-中温熱水変質鉱物が広域的に分布した。
次に、TL測定の結果から、高温熱水変質鉱物が分布したエリアでは局所的にTL強度が低くなり、低温-中温熱水変質鉱物が分布したエリアでは広域的にTL強度が変動した。これらの結果を踏まえ、局所的に熱水変質を受けたと考えられる試料を除き、広域的な熱的影響を受けたと考えられる試料を用いてTLインバージョン解析を行った。
対象範囲の地下に三次元的に仮定した熱源位置から一定の距離(以降、抽出半径と呼称する)に含まれる試料に対して、TL強度と熱源仮定位置からの距離とが良く相関する熱源候補位置を推定した。本発表では、MT探査結果(東京工業大学-東北大学, 2017)と同範囲で比較し、MT探査結果と調和的な熱源候補位置を求めた結果、抽出半径を9kmとした場合にMT探査結果と調和的な結果が得られた。
調査地域である八幡平西部地域に分布する古玉川カルデラ内では、下位から新第三紀の阿仁合層、新第三紀の古玉川溶結凝灰岩、玉川溶結凝灰岩が分布する。この古玉川溶結凝灰岩および玉川溶結凝灰岩に加え、凝灰岩からなる関東ノ沢層は、この地域の地表に広く分布し、これらの地層を中心にサンプリングを行った。その後、熱水変質鉱物を検討するとともにTL測定を行った。そしてこれらの結果を元にインバージョン解析により、熱源位置の推定を試みた。
本地域西部の椈沢周辺では黄鉄鉱が、秋田焼山南部に湧出する見張りの湯付近ではローモンタイトが局所的に分布し、一方、その他のエリアではクリノプチロライトやモンモリロナイトといった低温-中温熱水変質鉱物が広域的に分布した。
次に、TL測定の結果から、高温熱水変質鉱物が分布したエリアでは局所的にTL強度が低くなり、低温-中温熱水変質鉱物が分布したエリアでは広域的にTL強度が変動した。これらの結果を踏まえ、局所的に熱水変質を受けたと考えられる試料を除き、広域的な熱的影響を受けたと考えられる試料を用いてTLインバージョン解析を行った。
対象範囲の地下に三次元的に仮定した熱源位置から一定の距離(以降、抽出半径と呼称する)に含まれる試料に対して、TL強度と熱源仮定位置からの距離とが良く相関する熱源候補位置を推定した。本発表では、MT探査結果(東京工業大学-東北大学, 2017)と同範囲で比較し、MT探査結果と調和的な熱源候補位置を求めた結果、抽出半径を9kmとした場合にMT探査結果と調和的な結果が得られた。