17:15 〜 18:45
[SVC29-P09] 海底火山の観測・監視に向けた研究開発
キーワード:海底火山、孀婦海山
海底火山の観測は、陸域の火山の観測と比べて極めて困難であることが知られている。現代の火山観測で当たり前に活用されている衛星観測が、海面下では機能しないためである。また、陸域と同様の観測が海底火山でも行えたとしても、それに必要なコストは、陸域観測とは比べ物にならないほど高コストになるケースが多い。そこで、昨年、鳥島近海で起きた地震・津波に対する機動的観測などを例にして、海洋研究開発機構で進めている、海底火山の観測に関する研究開発の取り組みを紹介する。
10月2日以降、鳥島近海を震源とした地震活動が活発化し、10月9日には八丈島に0.6 mの津波が到達したが、地震規模から予想されるよりもはるかに大きな津波が発生したことから、津波の発生原因について議論が引き起こされた。さらに、海上保安庁の航空機観測では、付近の海域に漂流している軽石を確認した。そこで、海洋研究開発機構では、地震と津波の発生場所を正確に特定することを行った。海底観測網から得られた津波と水中音波のそれぞれのデータから、発生源は鳥島近海ではなく、孀婦岩西側の孀婦海山周辺であることが特定された。そこで孀婦海山周辺海域をターゲットに緊急調査航海を実施した。調査航海では、孀婦海山中央部のカルデラ火山において、最近火山活動が起こっていたと考えられる痕跡を発見した。また、漂流軽石のシミュレーションにより、確認された軽石の供給源は鳥島よりも北方に位置することが推定された。
海域の火山性地震観測では、コストの面からテレメータ化することが難しいため、海底に敷設されている通信用の光海底ケーブルを利用したDAS観測が有効である。海洋研究開発機構では、鬼界海底カルデラ火山を対象とした鹿児島県三島村の光海底通信ケーブルを利用しての研究開発を行ってきた。次のステップとして、伊豆諸島に敷設されている光海底ケーブルを利用して、火山活動の監視を念頭に置いた伊豆大島や三宅島などの伊豆諸島火山の観測の取り組みを開始している。
10月2日以降、鳥島近海を震源とした地震活動が活発化し、10月9日には八丈島に0.6 mの津波が到達したが、地震規模から予想されるよりもはるかに大きな津波が発生したことから、津波の発生原因について議論が引き起こされた。さらに、海上保安庁の航空機観測では、付近の海域に漂流している軽石を確認した。そこで、海洋研究開発機構では、地震と津波の発生場所を正確に特定することを行った。海底観測網から得られた津波と水中音波のそれぞれのデータから、発生源は鳥島近海ではなく、孀婦岩西側の孀婦海山周辺であることが特定された。そこで孀婦海山周辺海域をターゲットに緊急調査航海を実施した。調査航海では、孀婦海山中央部のカルデラ火山において、最近火山活動が起こっていたと考えられる痕跡を発見した。また、漂流軽石のシミュレーションにより、確認された軽石の供給源は鳥島よりも北方に位置することが推定された。
海域の火山性地震観測では、コストの面からテレメータ化することが難しいため、海底に敷設されている通信用の光海底ケーブルを利用したDAS観測が有効である。海洋研究開発機構では、鬼界海底カルデラ火山を対象とした鹿児島県三島村の光海底通信ケーブルを利用しての研究開発を行ってきた。次のステップとして、伊豆諸島に敷設されている光海底ケーブルを利用して、火山活動の監視を念頭に置いた伊豆大島や三宅島などの伊豆諸島火山の観測の取り組みを開始している。