17:15 〜 18:45
[U04-P04] 小型衛星からの近赤外イメージングによる水蒸気分布の推定

キーワード:水蒸気、多波長撮像、衛星
近年、東南アジア地域では発達した積乱雲によって集中豪雨が発生し大きな被害が生じている。これらの被害を減らすためには、豪雨をもたらす積乱雲の発生をより早く、正確に予測する必要がある。
これまでは数値計算をもとにした予測が広く行われてきたが、集中豪雨のようなメソスケール現象を予測することは困難である。Bryan et al., (2003)等が示すように、メソスケールの現象予測には100 m程度(#要確認)の空間解像度が必要とされているが、しかし、これまで行われているライダー観測や衛星からのマイクロ波観測などでは観測装置の時間解像度や空間解像度が不足している。従って100 m程度の高空間解像度で観測を行うことが出来れば、予測の改善に効果的と考えられる。
本研究では2023年3月19日にDIWATA-2B衛星に搭載されているSMI(Spaceborne Multispectral Imager)を用いて、フィリピン共和国のマニラ周辺の近赤外多波長イメージング観測を行った。今回注目したのは710-744 [nm]に存在する水蒸気吸収バンドであり、このバンドは一般的な水蒸気観測バンドである1.4 [μm]付近に比べ吸収は弱いが、その分飽和することなく地上付近までの分布を観測することができる。このバンドでの撮像データと吸収周辺バンドでの観測から水蒸気吸収の等価幅を計算した。等価幅の計算には基準となる地表面反射スペクトルの連続光成分を正確に推定する必要がある。本研究では水蒸気吸収周辺の吸収のないバンドである671 [nm], 710 [nm], 749 [nm], 780 [nm]で撮影した画像に対して位置合わせを行い、各ピクセルの値に二次多項式を最小二乗法を用いてフィットさせ、水蒸気吸収バンドである722 [nm]における連続光成分を計算した。等価幅と水蒸気量を結びつけるために、マニラ周辺に39か所設置されているP-POTEKA観測網のデータを用いる。これによって得られた地上での絶対湿度分布を衛星から得られた等価幅の分布と比較し、水蒸気量の校正を試みた。
本発表では現在までの解析結果と今後の課題について紹介する。
これまでは数値計算をもとにした予測が広く行われてきたが、集中豪雨のようなメソスケール現象を予測することは困難である。Bryan et al., (2003)等が示すように、メソスケールの現象予測には100 m程度(#要確認)の空間解像度が必要とされているが、しかし、これまで行われているライダー観測や衛星からのマイクロ波観測などでは観測装置の時間解像度や空間解像度が不足している。従って100 m程度の高空間解像度で観測を行うことが出来れば、予測の改善に効果的と考えられる。
本研究では2023年3月19日にDIWATA-2B衛星に搭載されているSMI(Spaceborne Multispectral Imager)を用いて、フィリピン共和国のマニラ周辺の近赤外多波長イメージング観測を行った。今回注目したのは710-744 [nm]に存在する水蒸気吸収バンドであり、このバンドは一般的な水蒸気観測バンドである1.4 [μm]付近に比べ吸収は弱いが、その分飽和することなく地上付近までの分布を観測することができる。このバンドでの撮像データと吸収周辺バンドでの観測から水蒸気吸収の等価幅を計算した。等価幅の計算には基準となる地表面反射スペクトルの連続光成分を正確に推定する必要がある。本研究では水蒸気吸収周辺の吸収のないバンドである671 [nm], 710 [nm], 749 [nm], 780 [nm]で撮影した画像に対して位置合わせを行い、各ピクセルの値に二次多項式を最小二乗法を用いてフィットさせ、水蒸気吸収バンドである722 [nm]における連続光成分を計算した。等価幅と水蒸気量を結びつけるために、マニラ周辺に39か所設置されているP-POTEKA観測網のデータを用いる。これによって得られた地上での絶対湿度分布を衛星から得られた等価幅の分布と比較し、水蒸気量の校正を試みた。
本発表では現在までの解析結果と今後の課題について紹介する。