09:30 〜 09:50
[U09-02] 3次元地質モデルを用いた都市域の地質情報整備
★招待講演
キーワード:地質情報、3次元地質モデル、ボーリングデータ、都市域
都市の地質リスクを評価する上で,地下浅部の地質情報は重要な役割を果たす.近年,産総研地質調査総合センターでは知的基盤整備の一環として,自治体と協力しながら,公共工事や層序研究で得られたボーリングデータを基に,深さ数十メートルを対象とした都市域の3次元地質図の整備を進めている.また,整備した地質情報をわかりやすいスタイルで可視化するためのWebシステム開発に取り組んでいる.これまでに千葉県北部地域および東京都区部の3次元地質図の整備を完了し,その成果をウェブサイト”都市域の地質地盤図”(https://gbank.gsj.jp/urbangeol/)で公開している.本ウェブサイトでは,複数の地層境界の形状データから成る3次元地質モデル(サーフェスモデル)を,岩石の種類や固さに従って色付けしたボーリングオブジェクトと共に見られる.このような3次元データは地下浅部における地質分布の把握に役立つだけでなく,デジタルツインなどの技術にも容易に適用できるため,地震にともなう地質リスクを考慮した都市の計画,開発,管理にも貢献すると期待できる.今後他分野とのデータ連携を進めるうえで,整備データを多様なファイル形式でダウンロードできるようにすることや,整備データのWeb APIを実装することが必要である.本講演では,3次元地質図の概要を,その作成方法やウェブサイトの機能に焦点を当てながら紹介する.