日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-09] 最先端の計測・SNS技術を環境・防災地図にどう生かすか?

2024年5月30日(木) 09:00 〜 10:30 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:作野 裕司(広島大学大学院先進理工系科学研究科)、土井 威志(JAMSTEC)、小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、宮地 良典(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、座長:作野 裕司(広島大学大学院先進理工系科学研究科)、土井 威志(JAMSTEC)

09:30 〜 09:50

[U09-02] 3次元地質モデルを用いた都市域の地質情報整備

★招待講演

*野々垣 進1 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)

キーワード:地質情報、3次元地質モデル、ボーリングデータ、都市域

都市の地質リスクを評価する上で,地下浅部の地質情報は重要な役割を果たす.近年,産総研地質調査総合センターでは知的基盤整備の一環として,自治体と協力しながら,公共工事や層序研究で得られたボーリングデータを基に,深さ数十メートルを対象とした都市域の3次元地質図の整備を進めている.また,整備した地質情報をわかりやすいスタイルで可視化するためのWebシステム開発に取り組んでいる.これまでに千葉県北部地域および東京都区部の3次元地質図の整備を完了し,その成果をウェブサイト”都市域の地質地盤図”(https://gbank.gsj.jp/urbangeol/)で公開している.本ウェブサイトでは,複数の地層境界の形状データから成る3次元地質モデル(サーフェスモデル)を,岩石の種類や固さに従って色付けしたボーリングオブジェクトと共に見られる.このような3次元データは地下浅部における地質分布の把握に役立つだけでなく,デジタルツインなどの技術にも容易に適用できるため,地震にともなう地質リスクを考慮した都市の計画,開発,管理にも貢献すると期待できる.今後他分野とのデータ連携を進めるうえで,整備データを多様なファイル形式でダウンロードできるようにすることや,整備データのWeb APIを実装することが必要である.本講演では,3次元地質図の概要を,その作成方法やウェブサイトの機能に焦点を当てながら紹介する.