日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[U-15] 2024年能登半島地震(1:J)

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

17:15 〜 18:45

[U15-P108] 2024年能登半島地震による新潟市域での液状化被害

*卜部 厚志1、片岡 香子1河島 克久1西井 稜子1、松元 高峰1、渡部 直喜1新屋 啓文1、渡部 俊1高清水 康博2藤林 紀枝2宮縁 育夫3 (1.新潟大学災害・復興科学研究所、2.新潟大学教育学部、3.熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター)

キーワード:2024能登半島地震、液状化、新潟市

2024年1月1日に発生した能登半島地震では,新潟市西区を中心に甚大な液状化被害が発生した.西区での被災家屋数は,2月20日時点で全壊82軒,半壊2,102軒,一部損壊1,107軒,合計約9,245軒であり,新潟市での合計被害件数10,524軒の9割を占めている.また,新潟市西区の世帯数は約70,000であり,戸建て世帯の1/6が被災している.
 新潟大学は,地元大学として被災記録を残すことを重視し,1月4日から液状化に伴う諸現象(噴砂,家屋損壊,亀裂(地すべり性)など)の悉皆調査を行った.この結果,液状化被害は,①砂丘斜面末端(青山~内野までの県道16号沿い),②信濃川の流路跡(山田~善久,江南区天野),③低地の埋立造成地に集中していることを明らかにした.また,これらの被害分布は,1964年以降に市街化した地区を除くと,1964年新潟地震での液状化被害分布とほぼ一致しており,再液状化していることが明らかとなった.さらに①から③の地形・地質・土地履歴の特徴から液状化被害の要因が異なることが推定できた.
さらに新潟大学では,被災者が住宅再建を強く思考する時期にあたり,地区(タイプ)ごとに液状化した地層の深度や地盤強度の垂直分布などの具体的なデータが不足していることから,住宅再建にむけての基礎となる液状化した地盤の基礎的な情報についてSWS試験とボーリング調査を併用した液状化深度,層相,地盤構造の連続性の調査を行った.ここではこれらの概要を紹介する.