17:15 〜 18:45
[U15-P16] 能登半島群発地震における繰り返し地震の時空間分布
繰り返し地震とは、断層の同じ場所を繰り返し破壊することでよく似た波形が観測される地震である。プレート境界において発生メカニズムが研究され、非地震性すべりに伴う孤立したアスペリティの繰り返し破壊であると解釈されている。しかし地殻内地震や注水誘発地震などでも繰り返し地震が見つかっており、プレート境界以外での発生メカニズムの理解にはさらなる検証が必要である。
本研究では2020年ごろから活発化した能登半島群発地震において繰り返し地震の検出を行った。この群発地震活動は流体との関連が示唆されており、非地震性すべりとそれに伴う繰り返し地震の存在が予想されるためである。繰り返し地震を検出し、時空間分布を調べることで地殻内における繰り返し地震の発生メカニズムへの理解を進めるとともに、繰り返し地震から推定される非地震性すべりと群発地震活動との関係について考察することを目的とした。
2020年1月から2024年1月1日のM7.6までの間に能登半島北東部で発生したM2~4の地震を対象とし、Double-Difference法を用いて震源再決定を行った上で、波形相関と震源域の重複度の評価により繰り返し地震を検出した。その結果、解析した地震の12.8%にあたる236個の地震を含む、102系列の繰り返し地震が見つかった。時空間分布の特徴から、プレート境界におけるメカニズムと同様に説明することができると考えられる。また、1を超えるマグニチュード差がある繰り返し地震ペアも存在し、応力降下量の時間的な変動が示唆される。
群発地震活動との関係に注目すると、繰り返し地震は西・北クラスターで活動が活発化した2021年5月以降に発生し始め、2021年9月のM5.1から2022年6月のM5.4にかけての期間には北クラスターを中心に集中的な発生が見られた。この期間は深部での非地震性すべりに伴って浅部でも非地震性すべりが断続的に発生していたと考えられる。
本研究では2020年ごろから活発化した能登半島群発地震において繰り返し地震の検出を行った。この群発地震活動は流体との関連が示唆されており、非地震性すべりとそれに伴う繰り返し地震の存在が予想されるためである。繰り返し地震を検出し、時空間分布を調べることで地殻内における繰り返し地震の発生メカニズムへの理解を進めるとともに、繰り返し地震から推定される非地震性すべりと群発地震活動との関係について考察することを目的とした。
2020年1月から2024年1月1日のM7.6までの間に能登半島北東部で発生したM2~4の地震を対象とし、Double-Difference法を用いて震源再決定を行った上で、波形相関と震源域の重複度の評価により繰り返し地震を検出した。その結果、解析した地震の12.8%にあたる236個の地震を含む、102系列の繰り返し地震が見つかった。時空間分布の特徴から、プレート境界におけるメカニズムと同様に説明することができると考えられる。また、1を超えるマグニチュード差がある繰り返し地震ペアも存在し、応力降下量の時間的な変動が示唆される。
群発地震活動との関係に注目すると、繰り返し地震は西・北クラスターで活動が活発化した2021年5月以降に発生し始め、2021年9月のM5.1から2022年6月のM5.4にかけての期間には北クラスターを中心に集中的な発生が見られた。この期間は深部での非地震性すべりに伴って浅部でも非地震性すべりが断続的に発生していたと考えられる。