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[U15-P48] 「白鳳丸」による2024年能登半島地震緊急調査航海(KH-24-JE01、KH-24-JE02C)の概要
キーワード:能登半島地震、白鳳丸、OBS、OBEM、海底地形調査
2024年1月1日に石川県能登地方で発生した令和6年能登半島地震(M7.6)と、それに伴う津波は、石川県能登地方をはじめとした周辺地域に大きな被害をもたらした。能登半島北東部と、その北側の海域を中心にとした地域では、2018年頃から地震回数が増加傾向にあったが、2020年12月から地震活動が活発化し、2023年5月5日にはM6.5の地震が発生するなど、近年活発な地震活動が続いていた。2023年12月までの活動は、能登半島北東部の約30km四方の範囲が中心であったのに対し、2024年1月1日以降の地震活動は、能登半島北東の海域から能登半島の西方にかけて北東―南西方向に延びる約150kmの範囲に広がっている。この地域では、複数の活断層の存在が知られており、主として南東傾斜の逆断層と考えられているが、震源域北東部の海域には、北西傾斜の断層の存在も知られている。発震機構解や地震活動分布などから、今回の地震の震源断層は、主として南東傾斜の逆断層と考えられているが、地震活動域は能登半島北東の海域にも大きく広がっており、海域の地震活動の詳細を把握することは、今回の地震と活断層の関係を考える上で重要である。また、一連の地震活動では流体の関与が指摘されていた。そこで、今回の地震を起こした地震断層の実態や地震・津波の発生メカニズムの解明と、地震活動の推移の把握等を目的に、学術研究船「白鳳丸」による緊急調査航海で海底地震計(OBS)、海底電位磁力計(OBEM)を用いた観測と海底地形調査などを実施した。
「白鳳丸」による緊急調査航海は、1月16日から1月23日までのKH-24-JE01航海(一次航海)と、2月19日から3月1日までのKH-24-JE02C航海(二次航海)の2回に分けて実施した。なお、これらの航海に続いて2024年3月には「白鳳丸」を用いた共同利用研究航海として第三次航海が実施されている。一次航海では、海域の地震活動の詳細な震源分布と震源メカニズムを得ることを目的に、SPOBS(4.5Hz地震計)26台、LTOBS(1Hz)5台、BBOBS3台を設置し震源域直上に稠密な観測網を構築したのに加え、能登半島北東の沿岸域にOBEM2台を設置した。二次航海では、SPOBS26台とOBEM2台を回収するとともに、新たに20台のOBSと、5台のOBEMを設置した。また、両方の航海で海底地形調査を実施し、能登半島北東沖から富山湾にかけての広域で地形データを取得した。OBSで得られたデータについては、現在速報的な解析を進めており、活動域の北東にかけて震源が深くなる様子が捉えられている。その他のデータについても、適宜解析を進める計画である。
「白鳳丸」による緊急調査航海は、1月16日から1月23日までのKH-24-JE01航海(一次航海)と、2月19日から3月1日までのKH-24-JE02C航海(二次航海)の2回に分けて実施した。なお、これらの航海に続いて2024年3月には「白鳳丸」を用いた共同利用研究航海として第三次航海が実施されている。一次航海では、海域の地震活動の詳細な震源分布と震源メカニズムを得ることを目的に、SPOBS(4.5Hz地震計)26台、LTOBS(1Hz)5台、BBOBS3台を設置し震源域直上に稠密な観測網を構築したのに加え、能登半島北東の沿岸域にOBEM2台を設置した。二次航海では、SPOBS26台とOBEM2台を回収するとともに、新たに20台のOBSと、5台のOBEMを設置した。また、両方の航海で海底地形調査を実施し、能登半島北東沖から富山湾にかけての広域で地形データを取得した。OBSで得られたデータについては、現在速報的な解析を進めており、活動域の北東にかけて震源が深くなる様子が捉えられている。その他のデータについても、適宜解析を進める計画である。