日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-15] 2024年能登半島地震(1:J)

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

17:15 〜 18:45

[U15-P49] 白鳳丸による2024年能登半島地震の海洋地球科学調査と周辺ジオパーク

*松岡 篤1朴 進午2山口 飛鳥2 (1.新潟大学理学部、2.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:2024年能登半島地震、海洋地球科学調査、立山黒部ジオパーク、糸魚川ユネスコ世界ジオパーク、佐渡ジオパーク

2024年能登半島地震(M7.6)に関連する緊急調査として, 2024年3月4日から3月16日(13日間)まで,学術研究船「白鳳丸」を用いた共同利用研究航海の一環として海洋地球科学調査(KH-24-E1航海)が行われた.発表者はこの調査に参加した.本講演では,能登半島周辺海域の学術調査とジオパークのかかわりについて論じる.
調査海域を囲んで周辺地域には3つのジオパーク,すなわち立山黒部ジオパーク,糸魚川ジオパーク,佐渡ジオパークがある.これらのうち,糸魚川ジオパークは,ユネスコ世界ジオパークである.ジオパークでは,地域の地質構造発達史についてのストーリーが語られ,例えば,糸魚川5億年の歴史のように端的なフレーズとして表現される.このような地史の解読に際しては,陸域だけではなく,海域の地形・地質の理解が不可欠である.今回の緊急調査は,ジオパーク地域の地質構造発達史の解明に対して,海域からの重要なデータを提供しうる.また,調査海域は,陸域で認定されている糸魚川-静岡構造線や柏崎-千葉(あるいは銚子)構造線の延長部が通過する.陸域の構造線が海域にどのように続くのかを把握することは,調査海域での重要な検討課題といえる.なお,立山黒部ジオパークは,海域を含んでジオパークの範囲としている.一方,糸魚川および佐渡ジオパークは,陸域のみがジオパークの範囲である. 海域を含めたジオパーク地域の設定は,地史の理解を深めるだけではなく,海を積極的に意識することにより津波防災にも繋がると期待される.