17:15 〜 18:45
[U15-P69] 包括的な海底調査データに基づく2024年能登半島地震に関連する津波波源モデルの比較検討
キーワード:津波、能登半島地震、津波波源モデル、数値計算、海底調査、感度分析
2024年1月1日に発生した能登半島地震(M7.6)による津波に伴い、日本海沿岸部で最大5mを超える津波が計測された。津波を発生させた断層は能登沖の断層であると考えられる。具体的には、日本海地震・津波調査プロジェクト(佐藤ら、2021)で検討されたNT1〜6断層、国土交通省が検討したF42,F43断層が提案されており、それらが動いたことによって津波が生じたと推測される。一方で、どの断層がどの程度動いたのか、また海底地滑りによる津波の影響など不明瞭な部分が多い。そのようななか藤井・佐竹(2024)は、インバージョン手法を用いて、NT1〜6の断層の滑り量を求め、日本海沿岸部の潮位計などの時系列波形の記録とある程度整合するモデルを提案している。他方、土木学会海岸工学委員会では、石川県、富山県、新潟県の沿岸部を計測した結果を公表しており(由比ら、2024)、それによると、石川県東岸、西岸で津波高は4〜5m程度、富山県・新潟県沿岸では上越を除いて1〜2m程度であったものの、上越では、局所的に5mを超える津波が観測されたことがわかっている。
そのような沿岸部の津波を包括的に説明できる津波波源モデルは未だ提案されていない。他方、海底の地震断層の解明を目的として、海底調査が行われ、地震前後の地形変化や、地震断層の様子などが明らかになりつつある。
そこで,本研究では、海底調査による現状の情報を基にして、断層の傾斜角,滑り量を変化させるとともに、スポット的に海底地滑りを加えた数値計算を実施し,感度分析を行うとともに、津波発生メカニズムを解明することを目的とした.数値計算には非線形分散波モデルJAGURSを用いた.結果として、能登沖東側の断層の滑り量は小さい可能性と、東側と西側の境界あたりで比較的に大きな津波波源が、上越における津波高を説明できる可能性があることが示唆された。
そのような沿岸部の津波を包括的に説明できる津波波源モデルは未だ提案されていない。他方、海底の地震断層の解明を目的として、海底調査が行われ、地震前後の地形変化や、地震断層の様子などが明らかになりつつある。
そこで,本研究では、海底調査による現状の情報を基にして、断層の傾斜角,滑り量を変化させるとともに、スポット的に海底地滑りを加えた数値計算を実施し,感度分析を行うとともに、津波発生メカニズムを解明することを目的とした.数値計算には非線形分散波モデルJAGURSを用いた.結果として、能登沖東側の断層の滑り量は小さい可能性と、東側と西側の境界あたりで比較的に大きな津波波源が、上越における津波高を説明できる可能性があることが示唆された。