日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[U-15] 2024年能登半島地震(1:J)

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

17:15 〜 18:45

[U15-P99] 2024年1月の能登半島地震によって輪島市町野地域で発生した斜面災害

*大丸 裕武1 (1.石川県立大学生物資源環境学部)

キーワード:2024年能登半島地震、地すべり、深層崩壊、重力変形

2024年1月1日に発生した能登半島地震によって、輪島市の東方に位置する町野地区の山地では多数の地すべりや崩壊が発生した。筆者は地震前後の標高データの比較から、この地震で発生した斜面変動の特徴について検討を行った。地震で発生した斜面災害は、地質の影響を強く受けている。地すべりの多くは風化した新第三系の堆積岩の斜面で発生していた。新第三系堆積岩の流れ盤斜面では大規模な地すべりが発生した。また、地すべり地形は不明瞭だが、斜面でメートルオーダーの重力性の変形が発生して、谷底や平地に向かって押し出す現象が広く見られた。このような斜面変動の多くは小規模なパッチ状の裸地の発生や破壊された森林を伴っていた。このような、変形斜面は地震後の豪雨によって崩壊が発生する可能性が相対的に高いと考えられることから、地震後の変動過程を監視することが、地域防災の観点から必要と考えられる。