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[U16-P14] 海底地震計を用いた令和6年能登半島地震の緊急海底観測による余震分布
キーワード:令和6年能登半島地震、海底地震観測、自由落下自己浮上式海底地震計、余震分布
石川県能登半島を震央とする令和6年能登半島地震が2024年1月1日に発生した。気象庁マグニチュードは6.7であり、本震の発震機構解は、北西-南西方向に圧縮軸を持つ逆断層型である。能登半島では、2020年12月から群発地震活動が継続しており、地下での流体の移動と群発地震活動との関連が示唆されていた。群発地震と違って、今回の能登半島地震の震源域は半島東方の海域に拡がっている。そこで、正確な余震活動を明らかにするために、自由落下自己浮上式海底地震計(OBS)の高密度な観測網による海域緊急余震観測が実施した。
2024年1月20日から海洋研究開発機構学術研究船「白鳳丸」により、34台のOBSの設置を開始した。OBSの設置間隔は、余震の発生深度とほぼ同じと思われる10 kmとした。観測には、固有周波数4.5Hzの地震計を搭載する短周期OBS(SPOBS、固有周波数1Hzの地震計を搭載し、長期観測可能な長期観測型OBS(LTOBS)、広帯域地震計を搭載する広帯域OBS(BBOBS)の3種類のOBSが使用した。地震計から信号はA/D変換され、メモリカードといったデジタル媒体に保存される。26台のSPOBSは、2月19日から28日にかけて実施された白鳳丸航海により回収された。また、この航海では、換装を継続するために、新たにLTOBSを設置した。
回収したSPOBSのデータ処理により、余震の精度のよい震源分布と発震機構解を求めた。各OBS記録の時刻を、GNSSの情報により、標準時に補正した。その後、観測期間中に気象庁カタログに記載されているマグニチュード2以上の570個の地震について、25台のSPOBSと半島最東部に位置する4台の陸上観測点のデータから、P波およびS波到着時刻をコンピューター上で読み取った。可能な場合には、発震機構解決定のために、初動の極性も読み取った。空間的に精度の高い震源蹴ってには、正確な速度小周防が重要である。過去にこの領域で行われた地震波構造探査の結果(Nakahigashi et al., 2012, Sato et al., 2018)から、単純な一次元速度構造モデルを構築した。最上部層の速度と厚さは、各SPOBS毎に異なる。そのため、絶対走時を用いる震源決定の際に、走時計算に対する補正値(観測点補正値)を導入した。最初に最尤法による絶対走時を用いる震源決定(Hirata and Matsu’ura 1987)により初期震源を求め、その後、double-difference (DD)法(Waldhauser and Ellsworth 2000)により、正確な震源位置を求めた。その結果、震源は深さ0.5 km から 16 kmに決定され、気象庁カタログに比べて浅く決定された(図)。海域の震源域西部については、深さが12 kmを超える余震は震源決定されなかった。一方、東部については、震源の深さ12kmが超える地震が発生していた。最も深い地震は、震源域最東部に位置する。過去の地震波速度構造探査の結果と比較すると、余震は丈夫地殻内で発生しているように見える。この両愛機では、地震発生断層モデルが構築されており、この断層モデルと余震分布は矛盾しない。発震機構解は、Reasenberg and Oppenheimer (1985)のプログラムにより、初動極性を用いて決定した。多くの地震の発震機構解は、北西-南西方向の圧縮により説明することができた。多くの逆断層型の余震がある一方で、横ずれ型断層の発震機構をもつ地震も見られる。
2024年1月20日から海洋研究開発機構学術研究船「白鳳丸」により、34台のOBSの設置を開始した。OBSの設置間隔は、余震の発生深度とほぼ同じと思われる10 kmとした。観測には、固有周波数4.5Hzの地震計を搭載する短周期OBS(SPOBS、固有周波数1Hzの地震計を搭載し、長期観測可能な長期観測型OBS(LTOBS)、広帯域地震計を搭載する広帯域OBS(BBOBS)の3種類のOBSが使用した。地震計から信号はA/D変換され、メモリカードといったデジタル媒体に保存される。26台のSPOBSは、2月19日から28日にかけて実施された白鳳丸航海により回収された。また、この航海では、換装を継続するために、新たにLTOBSを設置した。
回収したSPOBSのデータ処理により、余震の精度のよい震源分布と発震機構解を求めた。各OBS記録の時刻を、GNSSの情報により、標準時に補正した。その後、観測期間中に気象庁カタログに記載されているマグニチュード2以上の570個の地震について、25台のSPOBSと半島最東部に位置する4台の陸上観測点のデータから、P波およびS波到着時刻をコンピューター上で読み取った。可能な場合には、発震機構解決定のために、初動の極性も読み取った。空間的に精度の高い震源蹴ってには、正確な速度小周防が重要である。過去にこの領域で行われた地震波構造探査の結果(Nakahigashi et al., 2012, Sato et al., 2018)から、単純な一次元速度構造モデルを構築した。最上部層の速度と厚さは、各SPOBS毎に異なる。そのため、絶対走時を用いる震源決定の際に、走時計算に対する補正値(観測点補正値)を導入した。最初に最尤法による絶対走時を用いる震源決定(Hirata and Matsu’ura 1987)により初期震源を求め、その後、double-difference (DD)法(Waldhauser and Ellsworth 2000)により、正確な震源位置を求めた。その結果、震源は深さ0.5 km から 16 kmに決定され、気象庁カタログに比べて浅く決定された(図)。海域の震源域西部については、深さが12 kmを超える余震は震源決定されなかった。一方、東部については、震源の深さ12kmが超える地震が発生していた。最も深い地震は、震源域最東部に位置する。過去の地震波速度構造探査の結果と比較すると、余震は丈夫地殻内で発生しているように見える。この両愛機では、地震発生断層モデルが構築されており、この断層モデルと余震分布は矛盾しない。発震機構解は、Reasenberg and Oppenheimer (1985)のプログラムにより、初動極性を用いて決定した。多くの地震の発震機構解は、北西-南西方向の圧縮により説明することができた。多くの逆断層型の余震がある一方で、横ずれ型断層の発震機構をもつ地震も見られる。