日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS01] 気象の予測可能性から制御可能性へ

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:三好 建正(理化学研究所)、Nakazawa Tetsuo(AORI, The University of Tokyo)、高玉 孝平(科学技術振興機構)

17:15 〜 19:15

[AAS01-P07] 限られた介入手段による極端気象制御のボトムアップ型アプローチ:Lorenz 96モデルを用いた検討

*三ツ井 孝仁1小槻 峻司2、藤原 直哉3岡崎 淳史2、徳田 慶太1 (1.順天堂大学、2.千葉大学、3.東北大学)

キーワード:極端気象、制御、介入、カルマン・フィルタ、ローレンツ

極端気象の予測と対処は、科学および社会における重要な課題である。最近、三好らは、不確実な観測の下でのカオス系の制御可能性を検討するため、Control Simulation Experiment (CSE)と呼ばれるフレームワークを提案した。さらにこの枠組みの下で、Lorenz 96モデルを用いて、極端イベントを緩和する手法が示された(Sun et al., Nonlin. Processes Geophys., 30, 117–128, 2023)。しかし、この手法はシステムの広範囲のグリッドに制御入力を与える前提で設計されており、特定の条件下で1グリッドのみに制御を限定すると成功率が60%程度に留まる。本研究では、将来のある時点で、介入地点や介入手段が未だ限定的である状況を考える。そのような想定の下で、我々はボトムアップ型の極端事象制御手法を提示する。この手法はコスト関数を最適化して入力を決定するトップダウン型の制御理論的アプローチと対照的である。我々は、マルチシナリオアンサンブル予報に基づく局所的な介入によって極端事象を緩和する。この手法により、1ステップあたり1グリッドのみに介入を行う場合でも成功率は94%に向上し、Sun et al. 2023の結果と比較して大幅な改善が見られた。ただし、介入コストは増加した。また、2グリッドに介入できるとした場合、成功率は99.4%にまで向上した。