14:30 〜 14:45
[AAS03-16] MP-PAWRによって観測された局地的強雨をもたらす降水コアの時間発展と雲物理過程

キーワード:孤立積乱雲、降水セル、降水コア、雲物理過程、フェーズドアレイ気象レーダ
気象レーダの高時間解像度化に伴い,孤立積乱雲を構成する単一の降水セル内部で複数の降水コアが検出され,降水コアの落下が地上に強い雨をもたらすことが理解されてきた.降水コア内部の雲物理過程を理解することは,孤立積乱雲に伴う強雨の形成過程を理解する上で重要である.本研究では,高い時間解像度で二重偏波観測が可能なマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ (MP-PAWR) を用いて,降水コアの時間発展と雲物理過程の解析を行った.
本研究では,2018 年 8 月 31 日に関東地方南部で発生した総観規模擾乱の影響を受けない孤立積乱雲を対象とした.降水セルは,反射強度 (ZH) 20 dBZ以上の 3 次元的に連続した領域と定義し,14 時 13 分 00 秒から 15 時 49 分 30 秒 (JST) の 96.5 分間検出された.降水コアは,降水セルで高度毎に取得されたZHの頻度分布 (CFAD) から,高度毎に上位 3%の値を閾値とし,閾値を上回り,かつ極大点を 1 つ含むように分割された領域と定義した.降水コアの追跡は,降水セルの最高の高度がピークに達した 14 時 35 分までに検出された降水コアのみを対象に,手動で追跡した.また,ZH, レーダ反射因子差 (ZDR), 偏波位相差変化率 (KDP) から粒径の中央値 (D0) , 粒径分布の切片 (Nw) を推定し,D0, NwからZHで重み付けされた降水粒子の落下速度 (wd) を推定した.地上降水強度は,国土交通省XRAIN合成雨量から取得した.
対象期間中に,合計 7 個の降水コアが追跡された.降水コアは,0℃高度より高い高度で検出され,3–8 分間高度を維持したまま消滅する降水コアと,0℃高度以下で形成され落下し,地上付近で高度を維持する降水コアの大きく 2 つに分類された.降水強度約 80 mm/h の強い雨が持続した約 15 分間に,0℃高度以下の降水コアが 3 個入れ替わった.
0℃高度以下で形成された降水コアのうち,降水コア04を対象に,降水コアの時間発展と内部の雲物理過程を解析した.降水コア04は,0℃高度より上に形成された降水コア03の直下で形成され,落下した.ZHの極大点の落下速度は約 10 m/sで,降水コアの落下とともにZDRの高い領域が低下した.wdは 8–9 m/sと推定され,降水コアを構成する大粒径の粒子の落下とともに降水コアが落下したことを示唆する.降水コア04が地表面に到達後,7 分間にわたりZHの極大点が高度約 2 kmを維持した.ZH, ZDRの高度変化から,降水コアの上部で併合過程,下部で分裂過程が持続していることが示唆された.このことから,降水コアを構成する粒子は入れ替わりつつ,降水コア上空からの供給による併合過程と降水コアの下部における分裂過程が継続したことで,降水コアが地上に到達後も維持されたと考えられる.
本研究では,2018 年 8 月 31 日に関東地方南部で発生した総観規模擾乱の影響を受けない孤立積乱雲を対象とした.降水セルは,反射強度 (ZH) 20 dBZ以上の 3 次元的に連続した領域と定義し,14 時 13 分 00 秒から 15 時 49 分 30 秒 (JST) の 96.5 分間検出された.降水コアは,降水セルで高度毎に取得されたZHの頻度分布 (CFAD) から,高度毎に上位 3%の値を閾値とし,閾値を上回り,かつ極大点を 1 つ含むように分割された領域と定義した.降水コアの追跡は,降水セルの最高の高度がピークに達した 14 時 35 分までに検出された降水コアのみを対象に,手動で追跡した.また,ZH, レーダ反射因子差 (ZDR), 偏波位相差変化率 (KDP) から粒径の中央値 (D0) , 粒径分布の切片 (Nw) を推定し,D0, NwからZHで重み付けされた降水粒子の落下速度 (wd) を推定した.地上降水強度は,国土交通省XRAIN合成雨量から取得した.
対象期間中に,合計 7 個の降水コアが追跡された.降水コアは,0℃高度より高い高度で検出され,3–8 分間高度を維持したまま消滅する降水コアと,0℃高度以下で形成され落下し,地上付近で高度を維持する降水コアの大きく 2 つに分類された.降水強度約 80 mm/h の強い雨が持続した約 15 分間に,0℃高度以下の降水コアが 3 個入れ替わった.
0℃高度以下で形成された降水コアのうち,降水コア04を対象に,降水コアの時間発展と内部の雲物理過程を解析した.降水コア04は,0℃高度より上に形成された降水コア03の直下で形成され,落下した.ZHの極大点の落下速度は約 10 m/sで,降水コアの落下とともにZDRの高い領域が低下した.wdは 8–9 m/sと推定され,降水コアを構成する大粒径の粒子の落下とともに降水コアが落下したことを示唆する.降水コア04が地表面に到達後,7 分間にわたりZHの極大点が高度約 2 kmを維持した.ZH, ZDRの高度変化から,降水コアの上部で併合過程,下部で分裂過程が持続していることが示唆された.このことから,降水コアを構成する粒子は入れ替わりつつ,降水コア上空からの供給による併合過程と降水コアの下部における分裂過程が継続したことで,降水コアが地上に到達後も維持されたと考えられる.