日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS03] Extreme Events and Mesoscale Weather: Observations and Modeling

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:竹見 哲也(京都大学防災研究所)、Nayak Sridhara(Japan Meteorological Corporation)、下瀬 健一(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、本田 匠(東京大学情報基盤センター)

17:15 〜 19:15

[AAS03-P20] 様々な鉛直シア条件下で形成されるバックビルディング型線状降水帯の数値実験

*佐藤 未笛1若月 泰孝1 (1.茨城大学)


キーワード:数値シミュレーション、バックビルディング、線状降水帯

バックビルディング型線状降水帯(BB-LSCS)は、しばしば豪雨を引き起こす。一般に、BB-LSCSの発生メカニズムは多様で複雑である。BB-LSCSの形成過程を調査した研究は、多くが事例研究であり、様々な理想的な大気環境下における数値的研究は少ない。本研究では、雲解像大気モデルを使用して複数の鉛直シア条件を作成し、BB-LSCSの発達に適した環境を調査する。さらに、対流セルが組織化され、BB-LSCSに進化するプロセスを調査する。数値シミュレーションは、気象庁非静力学モデル(JMA-NHM)を使用して、地形がなく水平均一な仮想大気環境で行う。水平解像度は500 mで、鉛直方向に50層で設定した。初期の風プロファイルは、一方向シア(東西風のみ)で設定された。シアは地表から3 km高度まで存在し、それより上空での風速は一定である。中層の最大風速は、5 m/sから30 m/sまで5 m/s間隔で作成された。また、非常に湿潤な環境で実験を行った。
結果として、BB-LSCSは最大帯状風速が20 m/sの環境で最もよく発達した。この環境ではバルク・リチャードソン数が33に近く、これは過去の研究(例えばUnuma and Takemi 2016)に整合する。このBB-LSCSは先行する強い対流系の移動方向の後方で発生した。先行する強い対流系の影響で下層に冷気プールが広がり、冷気プールの風下側に局地的な下層収束域が形成し、上昇流はこの下層収束域から発生した。下層収束は、下層風と冷気プールからの吹き出しとの収束よりむしろ、線状降水帯に垂直方向の収束の寄与が大きいことが分かった。