17:15 〜 19:15
[AAS06-P08] 地上気圧潮汐の長期変動

キーワード:大気潮汐、トレンド、再解析、気候モデル
大気潮汐とは、主に大気や地表面の日周期加熱によって励起される全球規模の日変動現象である。その気候学的な特性(長期平均値や季節変化)は、理論、観測双方のアプローチにより研究され解明されてきた一方、数十年、数百年という長期間のトレンドについては研究が少ない。その折長期観測データや再解析データ、モデルの長期積分データが整備され、数十年スケールの変動を解析する基盤が整ってきた。そこで本研究では、大気潮汐の長期変動について、データ解析と数値計算を用いて調査を行った。
解析には、地表面気圧データアーカイブ ISPD(期間:1950-2023)、ERA5 再解析データ(期間:1950-2017)、気候モデルの長期積分データ(MRI-ESM v2.0(期間:1850-2014)およびMIROC6(期間:1850-2020))を使用した。MRI-ESM v2.0については、現実の地球を再現した実験(以下Historicalとする)と、日射量だけを変動させ、人類活動が関わっている大気CO2濃度を産業革命以前から固定した実験(以下pictlとする)の2種類のデータを使用した。MIROC6については、Historical実験と、大気CO2濃度を毎年1%の割合で増加させ続ける実験(以下1pctCO2とする)の2種類のデータを使用した。
それぞれの地表面気圧データについて、月平均の一日(24 hr)・半日潮汐(12 hr) 成分を取り出した。このうち本発表では、経度方向に太陽と共に動く太陽同期成分(一日潮の西進波数1、半日潮の西進波数2)に注目する。また、一日潮・半日潮いずれも熱帯で振幅が大きいため、以下では熱帯域(南緯10度から北緯10度)で平均した成分について長期トレンドを調べた。
その結果、半日潮において観測とERA5の結果は、所々差異はあるものの、1950年代から1980年代にかけて減少傾向を示し、1980年代以降は増加傾向を示すという、比較的似通った結果となった。モデルの結果は、MRI-ESM v2.0-pictl以外は解析全期間を通して増加傾向を示し、さらにその増分は観測、再解析の結果と比べて小さかった。 一日潮については、MRI-ESM v2.0-Historicalのみで微弱な増加傾向が見られたが、それ以外の観測・再解析・モデルデータでは有意なトレンドは見られなかった。
半日潮のトレンド要因として、大気の非断熱加熱の変化と、大気の背景場(特に温度構造)の変化の2つがまずは考えられる。これらを検証するために、ERA5の非断熱加熱、温度データを用いて、古典潮汐論を用いた数値計算を行った。具体的には、1980年から2019年までの40年間の月毎の非断熱加熱の潮汐成分と背景温度場(南緯30度から北緯30度での平均値)を与え、地表面圧力の応答を計算した。その結果、半日潮の振幅は観測データ(再解析含む)とは異なり減少トレンドを示し、観測結果をうまく説明できないことがわかった。
今後は、他の再解析やモデルデータ、観測データを比較解析することで、上記の結果の信頼性を調査すると同時に、気候モデルのアウトプットデータを用いて古典潮汐論の計算を再度実行することで、トレンドの要因を詳細に調べたい。
解析には、地表面気圧データアーカイブ ISPD(期間:1950-2023)、ERA5 再解析データ(期間:1950-2017)、気候モデルの長期積分データ(MRI-ESM v2.0(期間:1850-2014)およびMIROC6(期間:1850-2020))を使用した。MRI-ESM v2.0については、現実の地球を再現した実験(以下Historicalとする)と、日射量だけを変動させ、人類活動が関わっている大気CO2濃度を産業革命以前から固定した実験(以下pictlとする)の2種類のデータを使用した。MIROC6については、Historical実験と、大気CO2濃度を毎年1%の割合で増加させ続ける実験(以下1pctCO2とする)の2種類のデータを使用した。
それぞれの地表面気圧データについて、月平均の一日(24 hr)・半日潮汐(12 hr) 成分を取り出した。このうち本発表では、経度方向に太陽と共に動く太陽同期成分(一日潮の西進波数1、半日潮の西進波数2)に注目する。また、一日潮・半日潮いずれも熱帯で振幅が大きいため、以下では熱帯域(南緯10度から北緯10度)で平均した成分について長期トレンドを調べた。
その結果、半日潮において観測とERA5の結果は、所々差異はあるものの、1950年代から1980年代にかけて減少傾向を示し、1980年代以降は増加傾向を示すという、比較的似通った結果となった。モデルの結果は、MRI-ESM v2.0-pictl以外は解析全期間を通して増加傾向を示し、さらにその増分は観測、再解析の結果と比べて小さかった。 一日潮については、MRI-ESM v2.0-Historicalのみで微弱な増加傾向が見られたが、それ以外の観測・再解析・モデルデータでは有意なトレンドは見られなかった。
半日潮のトレンド要因として、大気の非断熱加熱の変化と、大気の背景場(特に温度構造)の変化の2つがまずは考えられる。これらを検証するために、ERA5の非断熱加熱、温度データを用いて、古典潮汐論を用いた数値計算を行った。具体的には、1980年から2019年までの40年間の月毎の非断熱加熱の潮汐成分と背景温度場(南緯30度から北緯30度での平均値)を与え、地表面圧力の応答を計算した。その結果、半日潮の振幅は観測データ(再解析含む)とは異なり減少トレンドを示し、観測結果をうまく説明できないことがわかった。
今後は、他の再解析やモデルデータ、観測データを比較解析することで、上記の結果の信頼性を調査すると同時に、気候モデルのアウトプットデータを用いて古典潮汐論の計算を再度実行することで、トレンドの要因を詳細に調べたい。

