日本地球惑星科学連合2025年大会

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[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS06] 大気圏(成層圏・対流圏)過程とその気候への影響

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:野口 峻佑(九州大学 理学研究院 地球惑星科学部門)、原田 やよい(気象研究所)、西井 和晃(三重大学大学院生物資源学研究科)、江口 菜穂(九州大学 応用力学研究所)



17:15 〜 19:15

[AAS06-P11] 熱帯・亜熱帯対流圏における層状構造の解析

*村本 空太1坂崎 貴俊2 (1.京都大学理学部、2.京都大学大学院理学研究科)


キーワード:対流圏、層状構造、重力波、移流

対流圏において、水蒸気やオゾンの濃度の大小で特徴づけられる厚さ数百m~数kmの鉛直層状構造が時折観測される。この層状構造の成因は古くから議論されてきており、異なる領域に起源をもつ空気塊の移流や、大気波動(重力波・ロスビー波)の影響が示唆されてきた。ただし、これらの層状構造のスケールは小さいため、従来の再解析データ等ではその成因についての直接的証拠を得ることは難しく、結果の考察には観測とは独立した数値シミュレーション等に頼らざるを得なかった。

そこで本研究では、2021年5月27日から2021年6月3日にかけて北緯30度~北緯1度の広い緯度帯で洋上観測を行ったYMC キャンペーン(YMC-BSM 2021 Part)のゾンデデータと、最新の鉛直高分解能再解析データ(ERA5のモデルレベルデータ)を併用することで、層状構造の特徴と成因を明らかにすることを目的とする。

ゾンデで観測されたオゾン混合比と相対湿度は概ね負の相関を示し、洋上の境界層由来の大気と成層圏由来の大気の混合を示唆する。その一方、オゾン混合比偏差と温位偏差は概ね正の相関を示し、重力波による鉛直移流の影響を示唆するものであった。ERA5のモデルレベルデータを用いて層状構造の時空間的な特徴を調べたところ、詳細過程は不明だが、亜熱帯の波動擾乱がその形成に寄与していることが分かった。今後は等温位面での解析などを実施し、発表当日は層状構造の三次元的な形成過程についてより詳細な議論を行う予定である。