11:45 〜 12:00
[AAS07-11] 放射クロージャ評価に向けたシミュレーションと観測データの融合による三次元大気構造の推定

キーワード:三次元大気構造、機械学習、数値シミュレーション、放射クロージャ
EarthCAREの主要目標の一つである放射クロージャを達成するためには、大気の三次元構造を高精度に把握することが不可欠となる。EarthCAREに搭載されている大気ライダー(ATLID)および雲プロファイリングレーダー(CPR)は大気の鉛直構造を詳細に観測可能であるが、観測データはEarthCAREの軌道直下に限定されている。このため、大気の水平方向の不均質性を含む三次元的な大気構造を取得するためには他の観測データを統合した推定が必要となる。本研究では、EarthCAREの多波長イメージャ(MSI)による光学観測データを活用し、三次元大気構造を推定する手法を提案する。
本研究では、LES(Large Eddy Simulation)により生成された大気場を仮想的な真値として、それを元に3D放射伝達モデルにより計算された多波長の放射輝度データを用いて三次元大気構造を推定する実験を行った。さらに、推定の精度を向上させるため、過去の三次元大気場データを数値シミュレーションで時間発展させた大気場を補助データとして活用する。多波長放射輝度データと数値シミュレーションにより計算された三次元大気場データを入力とし、教師付き機械学習モデルを用いることで、大気放射特性に関連する消散係数と雲粒有効半径の二つの変数の三次元分布の高精度な推定を行うことを目標とする。実験では、真値である三次元大気場の水平解像度を半分に減少させることで数値シミュレーションの不確実性を模し、シミュレーションによる時間発展後の大気場と見做して使用した。機械学習においては、セマンティックセグメンテーションに用いられるモデルであるUNetを使用する。シミュレーション大気場と放射輝度データをそれぞれ別に畳み込みニューラルネットワークでエンコードした後、各層から得られる特徴量を結合して、デコーダにより大気場の推定を行うモデルを構築した。推定の精度は相関係数および相対誤差を用いて評価した。
結果として、消散係数、雲粒有効半径のどちらの推定においても相関係数は0.99を上回り、相対誤差は消散係数の推定においては3.4パーセント、雲粒有効半径の推定では5.5パーセントであり、高い精度で雲の三次元的な空間構造が再現されていることが確認できた。 これはシミュレーションデータとして使用した低解像度データの相関係数より消散係数において0.44, 雲粒有効半径において0.12程度高かった。提案した手法は限定された情報に基づく高精度の三次元大気場推定により放射クロージャ評価の目標の達成に寄与しうるものである。
本研究では、LES(Large Eddy Simulation)により生成された大気場を仮想的な真値として、それを元に3D放射伝達モデルにより計算された多波長の放射輝度データを用いて三次元大気構造を推定する実験を行った。さらに、推定の精度を向上させるため、過去の三次元大気場データを数値シミュレーションで時間発展させた大気場を補助データとして活用する。多波長放射輝度データと数値シミュレーションにより計算された三次元大気場データを入力とし、教師付き機械学習モデルを用いることで、大気放射特性に関連する消散係数と雲粒有効半径の二つの変数の三次元分布の高精度な推定を行うことを目標とする。実験では、真値である三次元大気場の水平解像度を半分に減少させることで数値シミュレーションの不確実性を模し、シミュレーションによる時間発展後の大気場と見做して使用した。機械学習においては、セマンティックセグメンテーションに用いられるモデルであるUNetを使用する。シミュレーション大気場と放射輝度データをそれぞれ別に畳み込みニューラルネットワークでエンコードした後、各層から得られる特徴量を結合して、デコーダにより大気場の推定を行うモデルを構築した。推定の精度は相関係数および相対誤差を用いて評価した。
結果として、消散係数、雲粒有効半径のどちらの推定においても相関係数は0.99を上回り、相対誤差は消散係数の推定においては3.4パーセント、雲粒有効半径の推定では5.5パーセントであり、高い精度で雲の三次元的な空間構造が再現されていることが確認できた。 これはシミュレーションデータとして使用した低解像度データの相関係数より消散係数において0.44, 雲粒有効半径において0.12程度高かった。提案した手法は限定された情報に基づく高精度の三次元大気場推定により放射クロージャ評価の目標の達成に寄与しうるものである。
