日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS09] 応用気象学

2025年5月27日(火) 15:30 〜 17:00 展示場特設会場 (4) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:稲津 將(北海道大学大学院理学研究院)、竹見 哲也(京都大学防災研究所)、日下 博幸(筑波大学)、座長:稲津 將(北海道大学大学院理学研究院)

15:45 〜 16:00

[AAS09-07] 航空機安全運航に向けた花巻空港におけるFBJPの検証

*髙橋 槙公1岡﨑 淳史1 (1.千葉大学)


キーワード:山岳波、乱気流、ひまわり9号、メソ客観解析

日本上空における乱気流を起因とする大型機の機体動揺事故の件数は、横ばいを推移している。しかし、奥羽山脈の風下側に位置する花巻空港では山岳波による乱気流を原因として年間数日程度は終日の欠航が発生し、過去には事故が記録されるなど花巻空港の運航便は大きな影響を受けている。気象庁は、国内悪天予想図(FBJP)を通じて山岳波の発生領域や強度の情報を提供している。FBJPは航空会社が運航計画を決定する上で重要な情報であるが、6時間おきに発報され、広範囲に一様な強度の山岳波を予想するため、実際の山岳波との不一致や見逃しが発生する可能性がある。しかし、その予報精度は十分に検証されておらず、実際に発生した山岳波の領域や強度との整合性の評価や、時間解像度の向上を含めた山岳波による乱気流の予測高度化が求められる。本研究では花巻空港周辺における山岳波による機体動揺予測情報創出を目的に、まずはFBJPの山岳波予測精度検証を実施した。山岳波の予想精度を検証する手法は確立されていないが、本研究では気象庁メソ客観解析(MA)が山岳波発生の基準を満たし、かつ静止気象衛星ひまわり9号(AHI)から波状雲が検出される場合に実際に山岳波が発生していると仮定し、検証を評価した。その結果、FBJPは山岳波の誤検出が少ない一方で捕捉率が低く、山岳波の発生頻度を過小評価していることが明らかとなった。これはFBJPが予想していない場合に山岳波が発生している可能性があることが示唆される。さらに、山岳波が航空機に与える影響を解析するため、フライトデータから得られた機体動揺の情報と気象場の関係についても分析を進めており、講演ではこの点についても議論したい。