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[AAS10-P04] Xバンド二重偏波レーダーを用いた冬季石狩平野内陸部における霰粒子形成過程の解析 ~2023年12月22日における筋状の降雪雲事例について~

キーワード:霰粒子、二重偏波レーダー、石狩平野
冬季石狩平野では、季節風に平行な走向を持つ筋状雲や、北海道内陸由来の北東~東風と季節風の不連続線上に形成された降雪雲によって、度々局地的な降雪をもたらされることが知られている。これらの降雪雲について、石狩平野における降雪粒子の分布に関する研究では、size-sortingの考え方に基づき、海岸部(海岸から15km以内の地域)で霰粒子の割合が多く、内陸部(海岸から15km以上離れた地域)では少ない事例が複数報告されている(Harimaya and Sato 1992;Harimaya and Kanemura 1995;播磨屋ら 1999)。
一方、本研究で対象とした2023年12月22日0800~0900JSTにおける筋状の降雪雲事例では、海岸部と内陸部のそれぞれに平均反射強度の極大域(25~30dBZ)が形成され、内陸部でも霰粒子の生成が示唆される(三樹ら 2024)。そこで、主にXバンド二重偏波レーダー(X-MP)を用いた降水粒子判別やデュアルドップラー解析(以降、デュアル解析)を中心に、強い反射強度を示す降雪域の形成過程を調査した。解析には石狩および北広島に設置された国土交通省X-MPを用いた。X-MPデータおよび気象庁局地モデル(LFM)の初期値の気温および湿度を用いて、Kouketsu et al.(2015)に基づいた降水粒子判別手法を適用し、雲内の降雪粒子分布を調べた。また、2台のX-MPを用いたデュアル解析(Protat and Zawadzki 1999)で雲内の鉛直流および水平発散場を解析した。
5分毎の3次元反射強度の時間変動を解析することで、海岸部では海上から流入した高反射強度を示す降水粒子が落下する様子が確認された。この領域は降水粒子判別で主にDG(Dry Graupel)と判定され、強い上昇流(2m/s程度)が見られた領域と対応していた。一方、内陸部では明瞭なセル構造が見られなかった。そこでは、デュアル解析によって弱い上昇流(1m/s程度)が高度2km付近で解析され、降水粒子判別結果では高度2km付近から地上へ向かってDG分布が拡大していた。DG分布は海岸から25~35kmの範囲で地上へ到達しており、内陸部の反射強度極大域と対応が見られた。また、反射強度極大域内の地表付近では、偏波間相関係数(ρhv)がDG分布の拡大に先駆けて増大していた(およそ0.995以上)。これらの解析結果から、内陸部の反射強度極大域では、風上にあたる、沿岸域の強い上昇流に伴い発生した雪結晶などの粒子が、水平風により移流され、高度2km以上の内陸部において、弱い上昇流を受ける中、主に雲粒捕捉過程によってDGと判定される高反射強度を示す粒子へ成長したことが考えられる。また、DG分布拡大に先行したρhvがほぼ1に近づく変化を示したことから、DG粒子の割合が徐々に増加し、支配的な粒子となったことが示唆された。以上より、内陸部では降雪雲が再発達することに伴い、局地的に降雪量が増加する可能性があることを明らかにした。
一方、本研究で対象とした2023年12月22日0800~0900JSTにおける筋状の降雪雲事例では、海岸部と内陸部のそれぞれに平均反射強度の極大域(25~30dBZ)が形成され、内陸部でも霰粒子の生成が示唆される(三樹ら 2024)。そこで、主にXバンド二重偏波レーダー(X-MP)を用いた降水粒子判別やデュアルドップラー解析(以降、デュアル解析)を中心に、強い反射強度を示す降雪域の形成過程を調査した。解析には石狩および北広島に設置された国土交通省X-MPを用いた。X-MPデータおよび気象庁局地モデル(LFM)の初期値の気温および湿度を用いて、Kouketsu et al.(2015)に基づいた降水粒子判別手法を適用し、雲内の降雪粒子分布を調べた。また、2台のX-MPを用いたデュアル解析(Protat and Zawadzki 1999)で雲内の鉛直流および水平発散場を解析した。
5分毎の3次元反射強度の時間変動を解析することで、海岸部では海上から流入した高反射強度を示す降水粒子が落下する様子が確認された。この領域は降水粒子判別で主にDG(Dry Graupel)と判定され、強い上昇流(2m/s程度)が見られた領域と対応していた。一方、内陸部では明瞭なセル構造が見られなかった。そこでは、デュアル解析によって弱い上昇流(1m/s程度)が高度2km付近で解析され、降水粒子判別結果では高度2km付近から地上へ向かってDG分布が拡大していた。DG分布は海岸から25~35kmの範囲で地上へ到達しており、内陸部の反射強度極大域と対応が見られた。また、反射強度極大域内の地表付近では、偏波間相関係数(ρhv)がDG分布の拡大に先駆けて増大していた(およそ0.995以上)。これらの解析結果から、内陸部の反射強度極大域では、風上にあたる、沿岸域の強い上昇流に伴い発生した雪結晶などの粒子が、水平風により移流され、高度2km以上の内陸部において、弱い上昇流を受ける中、主に雲粒捕捉過程によってDGと判定される高反射強度を示す粒子へ成長したことが考えられる。また、DG分布拡大に先行したρhvがほぼ1に近づく変化を示したことから、DG粒子の割合が徐々に増加し、支配的な粒子となったことが示唆された。以上より、内陸部では降雪雲が再発達することに伴い、局地的に降雪量が増加する可能性があることを明らかにした。