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[AAS10-P09] 局地気象場観測を想定した小型総合気象計測システムの開発
キーワード:地上気象観測
地上気象観測データは高精度な数値予報や天気概況を知るための地上天気図作成には欠かせないデータである。国内では気象庁により地域気象観測システム(アメダス)が全国約1300箇所に展開されており、風向・風速、気温、湿度などの基本気象場の高精度な観測が自動的に行われている。アメダスはおよそ17 km間隔で配置されているが、地域の代表的な値を提供することが主な役割であるため、局所気象の研究用データとしての空間分解能は十分とはいえない。一方、近年は安価で高性能なプロセッサーや各種センサーが入手しやすくなり、研究ニーズに応じた気象測器の自主開発が容易になってきている。そこで、当研究グループでは、①オフグリッド(商用電源やインターネットのない)条件下でも運用可能、②容易に運搬、設置、運用が可能、③簡易的な天気予報が可能な基礎データを取得可能な可搬型気象計測システム(POMS: Portable Meteorological Station)の開発を行っている。このシステムは、災害による孤立集落や科学調査先等の遠隔地において、基本的な気象場を記録し、有識者(例えば気象予報士など)による簡易的な天気予報に役立てることを想定して開発している。特に、簡易的な地上観測により自由大気(高層大気)の情報も得られれば予報確度は向上すると考えられるため、従来の地上気象観測の観測要素に加え、星のシンチレーションモニターや、カメラによる雲の判別とオプティカルフロー計算による自由大気の風速場の推定機能などを実装している。本発表ではPOMSの試作一号機の機能紹介と、試験運用結果、今後の運用展開指針について報告する。