16:45 〜 17:00
[AAS11-29] アジアで観測された森林火災由来のエアロゾル粒子の個別粒子分析および海塩成分との混合
キーワード:エアロゾル、森林火災、海塩、観測
森林火災や農業由来の野焼き(Biomass burning: BB)は、目に見える煙として多量のエアロゾルを放出する。このBB由来のエアロゾルは、発生源付近の環境や大気汚染を悪化させ、また、長距離輸送されることで地域や全球レベルの大気質や気象・気候に影響を与える。一方、このBB由来のエアロゾル組成に着目した場合、発生源から長距離輸送されるに従い、ガス成分との反応、また他のエアロゾルとの混合を経てその物理化学成分は変化していく。このような、個別粒子中での化学成分の変化は、BB由来のエアロゾルの健康影響、気候・気象への関与を推定する際に重要となる。本研究では、主にアジアでの観測(日本近海での航空機観測、タイ地上・航空機観測)で得られたエアロゾル試料を用いて、特にBBなどから放出された成分に着目して透過型電子顕微鏡(TEM)で分析することで、それらの個別粒子単位での成分の特徴やその変化を解析した。また、これらの成分が、長距離輸送を経ることで海塩成分と個別粒子単位で混合することを明らかにし、その結果引き起こされる気候・気象影響を考察する。
解析には、三つの観測キャンペーンで得られたエアロゾル試料を用いた;1)2029年2月に行われたタイ(ナコンパトム)での地上観測(Adachi et al., 2025)、2)2022年7-8月に北海道沖で行われた航空機観測(A-force2022キャンペーン, Adachi et al., in preparation)、3)2024年3月にタイで行われた航空機観測(ASIA-AQキャンペーン)(Adachi, 2025 JpGU航空機セッションで発表予定)。それらの試料を、TEMを用いた組成分析を行い、特に個別粒子中でBB由来の成分であるカリウム(K)と海塩由来成分であるナトリウム(Na)に着目した解析を行った。
TEM分析の結果、BBの影響の強い試料においてKを含む粒子(K粒子)の個数割合が増えることが明らかとなった。このKは主に硫酸カリウム塩として存在し、有機物や海塩粒子と内部混合を行っていた。このK粒子は、特に海洋の上空や海洋を経由した空気塊においてNaと混合し、K-Naを含む粒子として存在した。この結果は、一個一個の粒子において、BBと海塩由来の成分の混合が生じていることを示唆するものである。両成分は、自然由来エアロゾルの発生源として重要であり、本観測では両者の混合が普遍的に発生することを示した。本結果は、両者の混合が雲凝結核特性、光学特性、粘性などの物理化学特性にも影響を与えることを示唆する。具体的には、NaおよびKを任意の割合で含む硫酸塩は、その比率に応じた吸湿特性を示し、また異なる粘性を示す(Adachi et al., 2025)。そのため、両者の混合はモデル計算などにおけるエアロゾル物理化学特性の再現性にも影響を与える可能性がある。
解析には、三つの観測キャンペーンで得られたエアロゾル試料を用いた;1)2029年2月に行われたタイ(ナコンパトム)での地上観測(Adachi et al., 2025)、2)2022年7-8月に北海道沖で行われた航空機観測(A-force2022キャンペーン, Adachi et al., in preparation)、3)2024年3月にタイで行われた航空機観測(ASIA-AQキャンペーン)(Adachi, 2025 JpGU航空機セッションで発表予定)。それらの試料を、TEMを用いた組成分析を行い、特に個別粒子中でBB由来の成分であるカリウム(K)と海塩由来成分であるナトリウム(Na)に着目した解析を行った。
TEM分析の結果、BBの影響の強い試料においてKを含む粒子(K粒子)の個数割合が増えることが明らかとなった。このKは主に硫酸カリウム塩として存在し、有機物や海塩粒子と内部混合を行っていた。このK粒子は、特に海洋の上空や海洋を経由した空気塊においてNaと混合し、K-Naを含む粒子として存在した。この結果は、一個一個の粒子において、BBと海塩由来の成分の混合が生じていることを示唆するものである。両成分は、自然由来エアロゾルの発生源として重要であり、本観測では両者の混合が普遍的に発生することを示した。本結果は、両者の混合が雲凝結核特性、光学特性、粘性などの物理化学特性にも影響を与えることを示唆する。具体的には、NaおよびKを任意の割合で含む硫酸塩は、その比率に応じた吸湿特性を示し、また異なる粘性を示す(Adachi et al., 2025)。そのため、両者の混合はモデル計算などにおけるエアロゾル物理化学特性の再現性にも影響を与える可能性がある。