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[AAS11-P04] 粘土鉱物による亜硫酸の酸化反応促進による硫酸エアロゾル生成過程の考察
キーワード:エアロゾル、硫黄循環、大気化学
人為起源の二酸化硫黄(SO2)は大気中で硫酸に酸化され、最終的に硫酸エアロゾルを生成する。硫酸エアロゾルは吸湿性が大きく、雲凝結核(CCN)として働くため、アルベドを増加させ地表の温度を下げる働きをする。その酸化過程として気相での反応と、大気中液滴等における液相反応が考えられる。気相では主にヒドロキシラジカルによってSO2(g)が酸化されH2SO4(g)が生成する。液相では、気相中のSO2(g)が液滴に溶け込み、酸化剤によって酸化されることで硫酸イオン(SO42-)を生成する。液相中での反応によって生成したSO42-は、液滴の蒸発によって大気中に放出され、[嘉高1] すでにCCNとして働いている粒子に付け加わることでCCNの粒子成長に寄与し得る(石野, 2024)。液相反応における酸化剤としてはこれまでオゾン、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、二酸化窒素、遷移金属イオン(Fe3+, Mn2+)によって触媒された溶存酸素が考えられてきた(Seinfeld and Pandis., 2006)。しかし、液滴中に存在する固相による酸化に着目した研究は少ない。そこで、本研究では固相として粘土鉱物に着目し、粘土鉱物によって亜硫酸の酸化が促進される可能性について検討した。粘土鉱物は砂漠や乾燥地帯から供給されるダストに多く含まれ(Jeong, 2024)、また、先行研究において粘土鉱物は共存する様々なイオンを酸化しうることが示唆されている(Gorski et al., 2013; Ilgen et al., 2017)。さらに、海洋や内陸部におけるエアロゾルサンプルにおいて、粘土鉱物と硫酸塩が共存している様子が観察されていることから、粘土鉱物による亜硫酸の酸化が大気中で実際に起こっている可能性が示唆されている(Posfai et al., 1995; Jeong, 2024)。
本研究で用いたのはスメクタイトの一種であるmontmorillonite, nontronite, saponiteと、カオリン鉱物の一種であるkaoliniteである。montmorillonite, nontroniteは鉄を含み(それぞれFe:2 wt%, 22 wt%)、今回用いたsaponiteは合成品で鉄を含まない。また、スメクタイトは2:1型粘土鉱物であり表面積が大きいのに対して、kaoliniteは1:1型粘土鉱物であるため、表面積が小さい。
鉄を含むスメクタイト、含まないスメクタイトのいずれにおいても亜硫酸の酸化の促進が見られ、kaoliniteにおいては酸化の促進は見られなかったことから、粘土鉱物中の鉄は酸化に関与していないこと、表面積が重要であることが示唆された。さらに、montmorilloniteについては実際の液滴を模した条件下(添加塩濃度:0.1 M)での酸化速度の測定を行った。オゾン、過酸化水素による酸化速度との比較を行い、実際の環境中での亜硫酸の酸化に粘土鉱物が寄与する可能性について議論した。
本研究で用いたのはスメクタイトの一種であるmontmorillonite, nontronite, saponiteと、カオリン鉱物の一種であるkaoliniteである。montmorillonite, nontroniteは鉄を含み(それぞれFe:2 wt%, 22 wt%)、今回用いたsaponiteは合成品で鉄を含まない。また、スメクタイトは2:1型粘土鉱物であり表面積が大きいのに対して、kaoliniteは1:1型粘土鉱物であるため、表面積が小さい。
鉄を含むスメクタイト、含まないスメクタイトのいずれにおいても亜硫酸の酸化の促進が見られ、kaoliniteにおいては酸化の促進は見られなかったことから、粘土鉱物中の鉄は酸化に関与していないこと、表面積が重要であることが示唆された。さらに、montmorilloniteについては実際の液滴を模した条件下(添加塩濃度:0.1 M)での酸化速度の測定を行った。オゾン、過酸化水素による酸化速度との比較を行い、実際の環境中での亜硫酸の酸化に粘土鉱物が寄与する可能性について議論した。