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[AAS11-P29] 陸別FTIRで観測されたイソプレンおよび大気汚染物質カラム量の日変動解析
キーワード:イソプレン、大気汚染物質、日変動、対流圏
対流圏オゾンなどの大気汚染物質の生成に影響する大気中の炭化水素の多くは、揮発性有機化合物として排出され、その約1/3が植物起源のイソプレンである。したがって、大気中のイソプレンと大気汚染物質の動態をともに把握することは大気汚染の理解に不可欠である。我々はこれらの大気中カラム量の日変化の詳細を把握するために、成層圏・対流圏微量成分モニタリング観測に用いている高分解能フーリエ変換型赤外分光観測装置(FTIR)による高頻度観測を行い、イソプレンと対流圏オゾン、メタノールおよびギ酸のカラム量の日変動を求めた。観測は、北海道陸別町で国立環境研究所とともに運用している地上高分解能FTIR(Bruker IFS120/5HR)を用い、2024年6月18日と19日の日中に行った。観測では太陽光吸収スペクトルのうち波長8~14μmの範囲を波数分解能0.007 cm-1で4分ごとにデータを取得した。得られた約260スペクトルに対して高度分布解析ソフトSFIT4(version 1.0.21)を用いて各微量成分の対流圏カラム量を求めた。観測されたイソプレンの対流圏カラム量は日の出とともに単調に増加した。このことはイソプレンの大気寿命が短く、対流圏カラム量が地表からの放出量によることを示している。一方、対流圏オゾンとメタノールの対流圏カラム量は、日の出から2時間程度は増加するが、その後ほぼ一定ないし減少に転じた。また、ギ酸の対流圏カラム量は日の出から2時間程度まで減少し、その後2時間程度の時間、増加に転じたのちに減少した。これらの大気汚染物質の大気寿命は数日であり、イソプレンの大気寿命(約1時間)よりも十分に長い。大気汚染物質の対流圏カラム量がイソプレンよりも複雑な時間変化を示すことから、これらの物質は観測地近傍で発生したイソプレンの酸化によって生じたものではなく、大気輸送等による影響を受けている可能性が高いことを示唆している。発表では、イソプレンほかの対流圏カラム量の時間変動の詳細と、イソプレンと大気汚染物質との相関および後方流跡線解析による結果等を報告する。