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[ACC33-P06] グリーンランドSE-Dome I アイスコアの金属成分の解析
キーワード:アイスコア、グリーンランド、金属成分、ダスト
アイスコア中に含まれる金属成分には水溶性のものと難溶性のものが存在する。水溶性成分は一般にイオン濃度として測定されるが、難溶性成分は溶解させるために酸の添加や加圧分解が必要になることから研究例が少ない。しかし、アイスコア中の不溶性微粒子(ダスト)はAlやFe濃度と高い相関があることが報告されており、ダストの組成や供給源を推定する上で、難溶性成分の測定は重要である。本研究では2015年にグリーンランド南東部で掘削されたSE-Dome Iアイスコアを分析し、過去60年間の難溶性成分も含めた金属濃度を復元した。その結果、Ca, Mg, Al, Fe, Mnの金属成分で1960–1975年と2000–2015年に高濃度期が見られた。これはダストの高濃度期と一致し、ダストと金属成分で高い正の相関があることがわかった。さらに、イオン濃度との比較から算出した水溶性成分の割合は1960–1975年の期間は低かったが、2000–2015年では高く、2つの期間の組成は異なることが示唆された。1960–1970年代は北米やヨーロッパ由来の人為起源物質の供給や森林火災の影響が主な要因と考えられる一方で、2000年以降は気温上昇に伴うグリーンランド縁辺部からの土壌起源ダストの供給が支配的であったことが考えられる。