日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG36] 中緯度大気海洋相互作用

2025年5月26日(月) 13:45 〜 15:15 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:安藤 雄太(九州大学大学院理学研究院)、王 童(海洋研究開発機構)、田村 健太(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、桂 将太(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)、座長:王 童(海洋研究開発機構)、田村 健太(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、安藤 雄太(九州大学大学院理学研究院)、桂 将太(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)


14:30 〜 14:45

[ACG36-10] 太平洋十年規模変動と北半球環状モードによって形成される大気海洋相互作用環状モード

*神山 翼1山上 遥航2木戸 晶一郎2小川 史明3三浦 裕亮4 (1.お茶の水女子大学理学部情報科学科、2.海洋研究開発機構、3.三重大学、4.東京大学)

キーワード:ジェット気流、西岸境界流、太平洋十年規模変動、北半球環状モード

大気のジェット気流は、中緯度における気象システムと気候変動の分布と強度を支配している。北半球では、ジェット気流の南北移動は極端気象の頻度と規模に直接的に関連している。これまでの研究により、ジェット気流の変動は非断熱加熱の時空間変動によって強く調節されることが明らかにされてきたが、大気と海洋の低周波変動モード間の関係は依然として不明確である。本発表では、北半球における最も卓越した気候変動モードである北半球環状モード(NAM)と太平洋十年規模変動(PDV)が、環状の大気海洋結合モードを構成するという仮説を提案する。海面水温と下部対流圏東西風の特異値分解解析により、北半球における最も卓越した共変動が従来のPDVおよびNAMパターンの両方と密接に対応していることが示された。抽出されたPDV-likeおよびNAM-likeなモードは、互いの分散の46%を説明しており、実質的な結合を示唆しているため、我々はこの仮説的な大気海洋結合現象を相互作用環状モード(interactive Annular Mode; iAM)と名付けた。高解像度全球気候モデルを用いた熱収支解析とペースメーカー実験を通じて、iAMを卓越モードとして増幅させる正のフィードバック機構について議論する。2024年に北半球全域で観測された前例のない熱波は、iAMの記録的な正のイベントとして説明される。