日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG40] 大気・海洋観測の気候・海洋予測へのインパクト評価

2025年5月27日(火) 09:00 〜 10:30 展示場特設会場 (6) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:藤井 陽介(気象庁気象研究所)、木戸 晶一郎(海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 アプリケーションラボ)、Tseng Yu-heng(Institute of Oceanography, National Taiwan University)、Xie Jiping(Nansen Environmental and Remote Sensing Center, Norway)、座長:木戸 晶一郎(海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 アプリケーションラボ)、Jiping Xie(Nansen Environmental and Remote Sensing Center, Norway)


09:00 〜 09:15

[ACG40-01] 共同観測システム実験で明らかになった海洋再解析に対するアルゴデータの品質管理のインパクト

*藤井 陽介1,2石川 一郎1、Eric de Boisseson3、Yiguo Wang4、Hao Zuo3 (1.気象庁気象研究所、2.統計数理研究所、3.ヨーロッパ中期予報センター、4.ナンセン環境リモートセンシングセンター)

キーワード:アルゴ、海洋データ同化、観測システム実験、SynObs、国連海洋科学の10年

“Synergistic Observing Network for Ocean Prediction”(SynObs)は、様々な観測プラットフォームの測定値例えば衛星と現場観測データを組み合わせ、海洋予測に対して最大限のインパクトを引き出す方法を見つけ出すことを目的とする、国連海洋科学の10年のプロジェクトである。SynObsでは、海洋予測における観測インパクトン評価を通して海洋観測ネットワークの最適化をサポートしたり、観測データをより効率的に利用できるような同化スキームの開発を推進している。
気象研究所では、SynObsの一環として、ヨーロッパ中期予報センター、ナンセン環境リモートセンシングセンターと協力して、3つの全球海洋データ同化システムを用いた、アルゴデータの品質管理(QC)の効果を評価するための観測システム実験(OSE)を実施した。2015年から2020年の実験期間には、故障により急激な塩分濃度ドリフトを示すアルゴフロートが通常より多く発生した。そのため、リアルタイムのQCのみを適用した観測データを用いた再解析では、全球平均塩分濃度について偽の増加トレンドが見られた。この増加トレンドは、 アルゴGlobal Data Assembly Center(GDAC)が提供するグレーリストを適用することで緩和され、リアルタイムArgoデータの代わりにArgo GDACの遅延モードArgoデータを同化することでさらに減少した。アルゴQCのこれらの影響は、3つの海洋データ同化システムの間で概ね一致していた。気象研究所のシステムでさらに調査を進めたところ、より精緻なQCを実施したデータを利用した再解析の方が、塩分の解析値が遅延モードの観測データにより近づき、衛星海面高度計データとの整合性もより増すことが確認された。