日本地球惑星科学連合2025年大会

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[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG40] 大気・海洋観測の気候・海洋予測へのインパクト評価

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:藤井 陽介(気象庁気象研究所)、木戸 晶一郎(海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 アプリケーションラボ)、Tseng Yu-heng(Institute of Oceanography, National Taiwan University)、Xie Jiping(Nansen Environmental and Remote Sensing Center, Norway)


17:15 〜 19:15

[ACG40-P05] データ同化がAMOCとその変動性に与える影響の評価

*越田 勇気1Xie Jiping2Samuelsen Annette2 (1.東京大学、2.ナンセン環境リモートセンシングセンター)

キーワード:データ同化、AMOC、海洋海氷モデル

全球熱塩循環は密度差によって駆動される全球スケールの海洋循環であり、表層と深層とを結んでいる。大西洋子午面循環(AMOC)は全球熱塩循環の大西洋での子午面成分であり、北大西洋高緯度での深層水形成によって駆動されている。AMOCとその変動性は熱輸送の観点から気候に大きく影響を与える要素である。このためAMOCは多くのモデル研究やデータ再解析によって研究が進められているが、モデル研究によってデータ同化によってAMOCが受ける影響を評価した研究は少ない。
本研究では、AMOCとその変動性をデータ同化の有無の異なる2つのハインドキャスト実験によって評価する。アンサンブルカルマンフィルターに基づき、データ同化システムTOPAZ4を用いて、大西洋と北極海での1991年から2019年までの海洋海氷の観測をデータ同化した(RA)。TOPAZ4では、海氷海洋モデルとしてハイブリッド海洋モデル(HYCOM)のバージョン2.2と1カテゴリーの海氷モデルとを結合したものを使用している。このコントロール実験(FR)は、ERA5の1991年から2019年の大気強制に基づいて駆動したものである。両実験での年平均のAMOC強度の変動とRAPIDでの観測データとの比較は添付のとおりである。両実験ともにRAPIDと比較するとAMOCは過小評価されており、RAPID観測が開始された2006年以降においては、AMOCの平均値はFRでは11.1 Sv、RAでは10.3 Svである。
その一方で、両実験のAMOCの強さの時系列のRAPID観測との相関は、データ同化を用いることで向上した。本研究ではAMOCの強さだけではなく、深層対流の強さや北向き熱輸送量などの他のAMOCの特徴量に関しても両実験で比較を行い、データ同化によるAMOCやその変動性への影響を評価する。