日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG41] 衛星による地球環境観測

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:沖 理子(宇宙航空研究開発機構)、本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、松永 恒雄(国立環境研究所地球環境研究センター/衛星観測センター)、高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)

17:15 〜 19:15

[ACG41-P02] 光学衛星データの異なる空間分解能が土砂流出範囲推定手法の抽出率に与える影響

*秋田 寛己1、平 春1、田口 仁1 (1.国立研究開発法人防災科学技術研究所)

キーワード:正規化植生指数、光学衛星データ、空間分解能、変化検出、土砂災害

本研究は、2022年8月豪雨で土砂流出のあった新潟県村上市の周辺地域を対象に、空間分解能の異なる4種の光学衛星データを用いてNDVI差分値(ΔNDVI)の計算により土砂流出範囲を広域に抽出し、空間分解能の違いが抽出手法の適用性とその抽出率に及ぼす影響を調べた。ΔNDVIはいずれの衛星データでも中央値と平均値がかなり近かった。NDVI閾値ケースごとに抽出範囲を比較すると、NDVI閾値を低く設定するほど抽出範囲が比例して拡大していた。適合率と再現率の関係はy=ax2+bx+cの二次式で近似でき、両者は閾値が上がるにつれて適合率が高くなる一方、再現率が低くなるというトレードオフの関係にあった。衛星データ間で二次式の近似曲線を比較すると、適合率・再現率が全体的に高い順にPlanet、Sentinel-2、SPOT、Pleiadesとなった。空間分解能が細かいPleiadesは両者が低水準であり、適合率・再現率は衛星データの空間分解能に比例するとはいえない。F値が最大となるNDVI閾値は0.20~0.25の範囲にあり、中分解能のPlanetやSentinel-2が高くなり、抽出の適用性は空間分解能の細かさと比例関係にはなかった。その理由として、今回の対象地域の土砂流出範囲の面積分布が最頻値42m2、中央値253m2と比較的中程度の面積サイズが優占していたため、これらの面積に適合する中分解能の衛星データを使用した場合に適合率・再現率が結果的に高くなったと考えられた。そのため、対象とする地域の土砂流出範囲の面積サイズに適合する空間分解能の選択が効果的であることが示唆された。