17:15 〜 19:15
[ACG41-P17] 静止気象衛星画像を用いた大気追跡風のためのAIの利用
キーワード:地球観測衛星、大気追跡風、静止気象衛星ひまわり、畳み込みニューラルネットワーク
近年,気候変動にともなう気象災害が深刻化し,より精度の高い数値天気予報が求められている.数値天気予報に与える初期条件のうち,十分な精度をもたない変数の1つが風である.風は,高度によって風速・風向が異なるので,全球で風の分布情報を得ることが重要である.ラジオゾンデは精度の高い風データを提供するが,観測地点の多くが陸地にあり,海上の観測は非常に限定されるため,全球観測には衛星観測が不可欠である.静止気象衛星は雲や水蒸気画像から大気追跡風(Atmospheric Motion Vector,以下AMV)を推定し,海洋上の風データを提供している.しかし,AMVは特定の層(2,3層)に限られ風を提供する,また,高度推定精度に課題がある.AMVの風観測データを高精度化するために,AI技術を用いる研究開発が活発に行われるようになっている.
本研究は,ディープラーニングを活用したAIモデルを開発し,衛星画像からのAMV推定を改善することで,従来の手法の限界を克服することを目指す研究である.AIモデルを開発し,衛星画像からのAMV推定するために,ワイオミング大学で提供されているラジオゾンデの観測データ(ゾンデデータ)と静止気象衛星ひまわりの観測データ(ひまわりデータ)を統合し,CNN(畳み込みニューラルネットワーク)ベースのAIモデルを構築した.ゾンデデータは緯度,経度,気圧高度,風向・風速であり,ひまわりデータは雲や水蒸気の画像とAMV(ひまわりAMV)である.本研究では,これらのデータを組み合わせ2023年に日本国内16地点で観測された7,357個のデータセットが作成された.提供された画像を,回転や反転することによって,データ数を増強し,データセットを7,357から58,856へデータ数を拡張した.学習データは稚内を除く全15地点,検証データは稚内の5,528サンプルである.入力データは33×33ピクセルの連続した2枚の衛星画像からなり,教師データはゾンデの風データである.評価指標として,風向精度を表すコサイン類似度C,風速精度を表す長さの一致度L,総合スコアS(= C / 2 + L / 2,満点を1)を定義した(詳細については発表日に報告予定).別々のCNNモデルを用いて,風向と風速の推定が行われた.
風向と風速を推定する初期実験の結果から,AI技術を用いて推定したAMVの風向は,C>0.9を示すデータの割合が高く,推定精度が高いことが示され,ひまわりAMVを上回る結果が得られた.一方,風速推定は,L>0.9となるデータの割合は少なく,十分な優位性が見られなかったため,さらなるCNNモデルの改良を必要とすることがわかった.初期実験結果から,AI技術を用いてAMVのデータ質を向上できる可能性が示された.今後は,風ライダーを搭載した衛星Aeolusの高度データを取り入れたり,異なる高度範囲に合わせたAIモデルを開発したりすることで,初期実験で明らかになった課題を克服して行く予定である.
本研究は,ディープラーニングを活用したAIモデルを開発し,衛星画像からのAMV推定を改善することで,従来の手法の限界を克服することを目指す研究である.AIモデルを開発し,衛星画像からのAMV推定するために,ワイオミング大学で提供されているラジオゾンデの観測データ(ゾンデデータ)と静止気象衛星ひまわりの観測データ(ひまわりデータ)を統合し,CNN(畳み込みニューラルネットワーク)ベースのAIモデルを構築した.ゾンデデータは緯度,経度,気圧高度,風向・風速であり,ひまわりデータは雲や水蒸気の画像とAMV(ひまわりAMV)である.本研究では,これらのデータを組み合わせ2023年に日本国内16地点で観測された7,357個のデータセットが作成された.提供された画像を,回転や反転することによって,データ数を増強し,データセットを7,357から58,856へデータ数を拡張した.学習データは稚内を除く全15地点,検証データは稚内の5,528サンプルである.入力データは33×33ピクセルの連続した2枚の衛星画像からなり,教師データはゾンデの風データである.評価指標として,風向精度を表すコサイン類似度C,風速精度を表す長さの一致度L,総合スコアS(= C / 2 + L / 2,満点を1)を定義した(詳細については発表日に報告予定).別々のCNNモデルを用いて,風向と風速の推定が行われた.
風向と風速を推定する初期実験の結果から,AI技術を用いて推定したAMVの風向は,C>0.9を示すデータの割合が高く,推定精度が高いことが示され,ひまわりAMVを上回る結果が得られた.一方,風速推定は,L>0.9となるデータの割合は少なく,十分な優位性が見られなかったため,さらなるCNNモデルの改良を必要とすることがわかった.初期実験結果から,AI技術を用いてAMVのデータ質を向上できる可能性が示された.今後は,風ライダーを搭載した衛星Aeolusの高度データを取り入れたり,異なる高度範囲に合わせたAIモデルを開発したりすることで,初期実験で明らかになった課題を克服して行く予定である.