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[ACG41-P19] 線形誤差解析を用いた衛星搭載ライダーシミュレータによる風観測性能の評価

キーワード:地球観測システム、ドップラー風ライダー、ライダーシミュレータ、線形誤差解析、風速測定性能
地球観測衛星は継続的に必須気候変数(Essential Climate Variable; ECV)をモニタリングし,自然と共存共栄していく上で重要なインフラストラクチャーである.その目的は、異常気象や環境問題の改善など,地球環境の長期的な変化を捉え,対処していくためだけでなく、産業や交通運航など,日々の経済活動をよりよくすることにもある.世界気象機関(WMO)は各国の気象機関と協力し,全球大気監視計画を推進しており,集められた様々な環境必須気象変数データは国際機関や各国政府機関,研究者に提供され,数値気象予報(NWP)などに活用される.現行の衛星からの風観測システムとして大気追跡風があるが,この手法は高度推定精度や鉛直分解能に課題があり,WMOのユーザ観測要求を満たすことができていない.このような状況を受けて,日本ではNWPの予測精度向上に寄与すると期待される独自の衛星搭載コヒーレントドップラー風ライダー(SCDWL: Satellite-borne Coherent Doppler Wind Lidar)の打ち上げについて実現性が検討されている.本研究は,SCDWLによる観測値が既存モデルによる背景値をどれだけ真値に近づけるかを調査し,風観測性能評価を行うために、線形誤差解析の手法を用いてSCDWLのための風観測性能評価システムを開発することを目的とする.線形誤差解析とは,線形最小分散推定に基づき,モデル等の事前情報(背景値)と観測によって得た情報(観測値)から最適な推定値(重み付き平均による解析値)を求める解析手法である.本解析による風速データ品質向上の評価指標として,解析誤差分散と背景誤差分散の比を誤差減少スコア(RER: Relative Error Reduction)と定義した.RERは視線方向風速誤差が解析を行うことでモデルからどれだけ変化したかを表す.この値が小さいほど解析による誤差減少が大きく,より真値に近い解析値を求めることができることを示唆している.本研究では,後方散乱係数と風速場を各高度で一定として一次元モデルを与えた.本研究で行ったライダーシミュレーションと解析によって得られた解析誤差は背景誤差,観測誤差よりも小さくなっており,観測情報を付加し,線形誤差解析を行うことで,背景値よりも精度の高い値を提供することができることを確認できた.なお,詳細については発表日当日に報告する予定である.