11:30 〜 11:45
[ACG47-10] 波解像数値モデルにおける砕波のパラメタリゼーションと浅水波への適用

キーワード:水面波解像数値モデル、砕波
浅水域での砕波は、水面付近の乱流や気液交換などの小スケールの現象だけでなく、平均水位の空間分布 (set-up・set-down) や流速場(離岸流・並岸流)などの沿岸域スケールの現象にも影響する。このような砕波に伴う小スケールの現象のシミュレーションには、水面形状を詳細に再現可能な数値モデルが必要である。一方で、より大きなスケールの現象では、overturnしない水面を仮定し砕波はパラメタライズして表現する波解像数値モデルが近年利用されている。このモデルでの砕波のパラメタリゼーション手法の一つは、水面勾配などの砕波指標をもとに経験則に基づいて砕波を判定し、モデルの支配方程式に対して砕波によるエネルギー減衰の効果を直接追加する手法である(e.g., Schäffer et al., 1993)。もう一つは、気体の衝撃波で利用される数値スキーム(shock-capturing scheme)の導入である。この数値スキーム内で自動的に追加された数値粘性によって砕波判定なしに水面のoverturnが抑制され、水槽実験と整合的な砕波の開始点や平均水位分布が再現できることが確認されている(e.g., Marchesiello et al., 2020)。前者の手法では経験則に頼らざるを得ない点、後者では数値スキーム内で自動的に追加される数値粘性の寄与の評価が容易でない点が問題だと考える。
我々も波解像数値モデル(鉛直σ 座標自由表面非静水圧モデル)を自ら作成した。このモデルでの砕波のパラメタリゼーションとして、砕波指標による判定を課さずに、モデルの水位の時間発展式に4階の水平粘性項を直接追加するという手法を開発した。深水波の砕波においては、水面形状を詳細に再現可能な数値実験(Deike et al., 2015)と比較し、砕波の開始時刻やエネルギー減衰率の定量的な一致を確認した(今村・吉川、2024; 日本海洋学会2024年度秋季大会)。本研究では、我々が開発した砕波のパラメタリゼーションを浅水波へと適用し、砕波の開始点や平均水位分布についての検証を行う。
傾斜1:35の底面を持つ造波水槽実験(Bowen and Kirby, 1994)を参考に、同様の傾斜をもつ底面での鉛直2次元(x-z)の数値実験を行った。水深0.44mから0.13mに変化する実験領域において、水深0.44mの地点で波長3.86m, 波高0.07mの線形波を自由伝播させた。
数値実験の結果、波高は水深が浅くなるにつれて増加し、最大値を取ったのち急激に減少した。この波高最大の点は、砕波指標による砕波発生条件(Goda, 2010)から予想される砕波の開始点と矛盾しない結果となった。平均水位は、波高が最大となる点まで減少し、その後増加に転じた。これは砕波に伴い生じると予想される平均水位分布と定性的に一致している。平均水位の減少はset-downの解析解と定量的にも一致していた。一方で、平均水位増加の定量的な検証は今後の課題である。
本研究で開発したパラメタリゼーションでは、経験的な砕波指標に頼らずとも自動的に砕波が発生可能であり、パラメタライズに伴う数値粘性項は支配方程式に直接追加されているためその評価も容易である。また、深水波と浅水波の砕波が統一的にパラメタライズ可能であることが示唆された。
我々も波解像数値モデル(鉛直σ 座標自由表面非静水圧モデル)を自ら作成した。このモデルでの砕波のパラメタリゼーションとして、砕波指標による判定を課さずに、モデルの水位の時間発展式に4階の水平粘性項を直接追加するという手法を開発した。深水波の砕波においては、水面形状を詳細に再現可能な数値実験(Deike et al., 2015)と比較し、砕波の開始時刻やエネルギー減衰率の定量的な一致を確認した(今村・吉川、2024; 日本海洋学会2024年度秋季大会)。本研究では、我々が開発した砕波のパラメタリゼーションを浅水波へと適用し、砕波の開始点や平均水位分布についての検証を行う。
傾斜1:35の底面を持つ造波水槽実験(Bowen and Kirby, 1994)を参考に、同様の傾斜をもつ底面での鉛直2次元(x-z)の数値実験を行った。水深0.44mから0.13mに変化する実験領域において、水深0.44mの地点で波長3.86m, 波高0.07mの線形波を自由伝播させた。
数値実験の結果、波高は水深が浅くなるにつれて増加し、最大値を取ったのち急激に減少した。この波高最大の点は、砕波指標による砕波発生条件(Goda, 2010)から予想される砕波の開始点と矛盾しない結果となった。平均水位は、波高が最大となる点まで減少し、その後増加に転じた。これは砕波に伴い生じると予想される平均水位分布と定性的に一致している。平均水位の減少はset-downの解析解と定量的にも一致していた。一方で、平均水位増加の定量的な検証は今後の課題である。
本研究で開発したパラメタリゼーションでは、経験的な砕波指標に頼らずとも自動的に砕波が発生可能であり、パラメタライズに伴う数値粘性項は支配方程式に直接追加されているためその評価も容易である。また、深水波と浅水波の砕波が統一的にパラメタライズ可能であることが示唆された。