日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG47] 海洋と大気の波動・渦・循環の力学

2025年5月25日(日) 10:45 〜 12:15 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:大貫 陽平(九州大学 応用力学研究所)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)、松田 拓朗(北海道大学地球環境科学研究院)、座長:大貫 陽平(九州大学 応用力学研究所)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)、松田 拓朗(北海道大学地球環境科学研究院)

11:45 〜 12:00

[ACG47-11] β平面上のheton状渦対の東進

*久保川 厚1 (1.北海道大学)

キーワード:準地衡流渦、β平面、heton、渦対

逆符号を持つ渦が異なる層にあり、互いに相互作用する構造をhetonと呼ぶ。Hetonに関する研究は多数存在するが、β平面上のheton状渦対の挙動はよく分かっていない。本研究では、層厚の等しい2層準地衡流モデルを用いて、β面上でのheton状渦対の力学を、特に南北非対称のものを中心に、調べる。まず、純粋傾圧渦を考える。よく知られているようにβ平面上の負の渦は南西へ、正の渦は北西に移動する。この性質により、上下に重なっていた渦は南北に分離し、負の渦は南に、正の渦は北にずれる。そして、負の渦は違う層にある正の渦を、正の渦は負の渦を東に移流する。それ故、渦が十分に強ければ、βによる西向き移流に打ち勝ち、このシステムは東に進行していく。上下の渦の強さが異なる場合、強い渦が西に移動して渦が東西に並び、例えば、負の渦の方が強い場合には、渦対は南に移動する。しかし、渦はさほど南には行かず、東に方向を転ずる。β効果は弱いので、この東向きに進む状況でも、南側の負の渦による循環は北の正の循環よりも強く、南北非対称な構造が維持される。渦対が移動する際には、周囲の流体も運ぶ。南に移動した場合、周囲の流体は正の循環を形成する。渦対構造による自己移流と背景場の循環のバランスにより、東に進む南北非対称なheton状渦対が可能になると考えられる。