日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG47] 海洋と大気の波動・渦・循環の力学

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:大貫 陽平(九州大学 応用力学研究所)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)、松田 拓朗(北海道大学地球環境科学研究院)

17:15 〜 19:15

[ACG47-P10] 外洋域における自由波の非線形分散関係の検証

*久木 幸治1 (1.琉球大学)

キーワード:波浪、分散関係、非線形

水面波の非線形理論によると、水面波は自由波と二次の高調波に相当する束縛波から構成される。そのうち自由波は線形分散関係を満たす。ところがストークス波の理論から知られているように、その分散関係は高次オーダーでは振幅の寄与を含んでいる。海洋表面波が深海波とみなせる外洋域では、海洋波浪スペクトルの幅も広く、非線形も小さいため、海面の観測から束縛波を検出することさえ容易ではない。短波海洋レーダはドップラースペクトルを計測する。このドップラースペクトルは、ブラッグ波数ベクトル(水平入射電波波数ベクトルの-2倍の水平波数ベクトル)における3次元波浪スペクトル(周波数及び水平波数ベクトルの関数として表されるスペクトル)値にほぼ比例する。そのため海洋表面波における自由波と束縛波を容易に識別することができる。また自由波によるスペクトルピーク周波数から自由波の分散関係の検証が可能である。従来の研究では非線形分散関係の検証に単一方向に進行する波の場合しか取り扱っていない。これは多方向に伝搬する波浪成分から構成される外洋域の場合において適切ではない。そこで多方向に伝搬する不規則波における非線形分散関係の検証を行った。まず水平波数ベクトルを固定して,その非線形分散関係から周波数を求めた。線形分散関係とのずれを波浪スペクトルにおける平均波向きと波高の関数として表したところ,そのずれがある波高において極大となった。次にドップラースペクトルから自由波の分散関係を検証した。使用した波浪スペクトルはERA5スペクトルである。また流れの影響を除くため,水面下4mにおける流速データを使用した。ドップラースペクトルピーク周波数と線形分散関係から得られる速度と視線方向流速の相関は0.9ぐらいである。さらにこの差と非線形分散関係の線形分散関係からのずれを調べた。この相関は高くはないが、ERA5スペクトル値が妥当であると考えられるケースのみで比較した場合はこの相関は高くなっていた。