日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG48] 陸域から沿岸域における水・土砂動態

2025年5月27日(火) 10:45 〜 12:15 102 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、浅野 友子(東京大学大学院農学生命科学研究科)、有働 恵子(東北大学大学院工学研究科)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、座長:浅野 友子(東京大学大学院農学生命科学研究科)、有働 恵子(東北大学大学院工学研究科)

11:55 〜 12:10

[ACG48-10] メガカスプの沿岸方向移動と沿岸流速の観測

*武若 聡1、大塚 勇吾1、湯 陳豪1、伴野 雅之2 (1.筑波大学、2.港湾空港技術研究所)

キーワード:メガカスプ、沿岸流、観測

鹿島灘南部・須田浜の港湾空港技術研究所・観測桟橋でXバンドレーダと電波流速計による観測を行なっている.

鹿島灘南部は延長約17 kmの砂浜海岸で,北端に鹿島港,南端に波崎漁港がある.5基のヘッドランドが設置されているが,強い侵食域は無い.海岸の両端で堆積が進んでいるが,全体的には安定した海岸である.観測桟橋は北端から約4 kmの位置にある.

レーダでは沿岸方向範囲約2,000 mの汀線形状とswash zoneの地形概形を捉えている.桟橋に設置した流速計では砕波帯内の毎時の沿岸流速を計測している.

(Xバンドレーダ)入射波浪が相対的に小さい期間には,汀線が波状となり,swash zone に存在するmega-cuspが捉えられる.波長は数百メートルで,絶えず沿岸方向に移動している.入射波浪が大きくなるとcoastal resetが生じ,汀線は直線状になりswash zoneの地形は沿岸方向に一様となる.その後,しばらくすると波状の汀線とmega-cuspが再び現れる.

(電波流速計)沿岸流速Uは波下方向に向き,その大きさは波パワーP(~ H^2・T・sin θ)と沿岸方向風速Vにより良好に回帰できる.沿岸流速の大きさには上限がある.沖合の入射波浪が大きくなっても,砕波が生じ,砕波帯の波高は水深の制限を受けるためである.

(地形と流速の変動)年間の波状の汀線移動を調べたところ,移動の経過とUの時間積算値には高い相関が見られた.これは,波状の汀線形状の沿岸方向移動が沿岸流によりもたらされている可能性を示唆している.現在のところ,浅海域に見られる波状の地形パターンがその形状を維持しながら移動する,ということを表現できるモデルは存在しない.ここで示した観測事実をベースに土砂移動と地形変動を表現するモデルの提案が次の研究目標である.