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[ACG48-P05] 長期観測から明らかになった山地流域における豪雨時の流出応答
キーワード:降雨流出データ、花崗岩、地下水位、ピーク遅れ、直接流出
豪雨時の山地河川の流出応答はデータ取得が困難で依然として不明な点が多い。そのような中、生態水文学研究所では100年近く観測が継続されそこには豪雨時のデータも含まれる。これまでに付加体堆積岩からなる流域ではひとあめ雨量100~200 ミリを超えると降雨強度と流出強度がほぼ等しくなることが報告されてきたが、生態水文学研究所の複数流域の観測データから花崗岩からなる流域でも約300ミリを超えると同様の応答が生じることを明らかにする。また、降雨強度=流出強度となる状態において流域内で何が起こっているのかを解明するために、白坂流域(88.5ha)における過去の記録を精査し、流域内に入れ子状に配置された北谷(1.18ha)や北谷の谷沿いの上・下2箇所に設置された井戸の地下水位の1分~1時間間隔のデータを整理した。1961年6月の豪雨時(総降水量567mm)には、降雨ピークに対して流出ピークの遅れが北谷でほぼ0分、白坂流域でも20分弱であった。白坂流域では、流出ピークの到達時間が北谷に比べて20分弱遅れたものの、比流量はほぼ同じであった。降雨強度=流出強度であった期間中には、地表近くまで上昇した谷沿いの地下水位にほとんど変化がなく、水面勾配もほぼ一定であったが、流域からの流出量は降水量の変化に応じて0.6~1.6 mm/5minと2倍以上増減した。素早い流出応答は主に圧力水頭の伝播によることが示唆された。