17:15 〜 19:15
[ACG49-P03] 2024年9月21日に発生した能登地方大雨への日本海海面水温の影響
キーワード:メソ低気圧、大気海洋相互作用
2024年9月20から22日にかけて、低気圧の東進および秋雨前線の影響により、東北地方から西日本にかけて広範囲で大雨が発生した。特に21日には、石川県能登半島北部で激しい降雨が観察され、輪島市や珠洲市の気象観測所では、1時間降水量や3時間降水量などが観測史上最多を記録した。この豪雨により、能登地方を中心に河川の氾濫や土砂災害が相次いだ。
当時の日本海南部の海面水温は、気候値(1982 - 2011年の平均値)より約5度も高かった。そこで本研究では、この高水温が能登地方の豪雨に与えた影響を数値実験により明らかにすることを目的とした。
本研究では、領域気象モデル(WRF)を用い、海面水温にはOISSTデータ、大気の初期値および境界値にはNCEP-FNLデータを使用した。日本および周辺海域を十分に含む領域を対象に、水平解像度5 kmで実験を実施した。現実の海面水温を用いた標準実験と、日本海の海面水温を気候値に置き換えた日本海非昇温実験を実施し、比較することで、高水温の影響を評価した。
標準実験では、石川県輪島市における24時間降水量が380 mmとなり、観測値とほぼ一致したことから、本実験が現実を適切に再現していると判断した。日本海非昇温実験では、同地点の積算降水量が約40 %減少した。この結果は、日本海の高水温が豪雨の発生に寄与したことを表す。また、本事例の豪雨発生には、能登半島の西岸沖で発生したメソ低気圧が一因となっていたことが指摘された。標準実験では、このメソ低気圧の中心気圧が日本海非昇温実験に比べて約2 hPa低下していた。すなわち、日本海の高水温によりメソ低気圧が強化され、その東側で南西風が強まり、水蒸気供給の増加を通じて秋雨前線が活発化したことが豪雨発生の一因であると結論付けた。
講演では、黒潮続流異常北偏に伴う三陸沖の以上昇温の能登地方を襲った大雨への影響も紹介する。
当時の日本海南部の海面水温は、気候値(1982 - 2011年の平均値)より約5度も高かった。そこで本研究では、この高水温が能登地方の豪雨に与えた影響を数値実験により明らかにすることを目的とした。
本研究では、領域気象モデル(WRF)を用い、海面水温にはOISSTデータ、大気の初期値および境界値にはNCEP-FNLデータを使用した。日本および周辺海域を十分に含む領域を対象に、水平解像度5 kmで実験を実施した。現実の海面水温を用いた標準実験と、日本海の海面水温を気候値に置き換えた日本海非昇温実験を実施し、比較することで、高水温の影響を評価した。
標準実験では、石川県輪島市における24時間降水量が380 mmとなり、観測値とほぼ一致したことから、本実験が現実を適切に再現していると判断した。日本海非昇温実験では、同地点の積算降水量が約40 %減少した。この結果は、日本海の高水温が豪雨の発生に寄与したことを表す。また、本事例の豪雨発生には、能登半島の西岸沖で発生したメソ低気圧が一因となっていたことが指摘された。標準実験では、このメソ低気圧の中心気圧が日本海非昇温実験に比べて約2 hPa低下していた。すなわち、日本海の高水温によりメソ低気圧が強化され、その東側で南西風が強まり、水蒸気供給の増加を通じて秋雨前線が活発化したことが豪雨発生の一因であると結論付けた。
講演では、黒潮続流異常北偏に伴う三陸沖の以上昇温の能登地方を襲った大雨への影響も紹介する。