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[ACG52-04] オホーツク海南部における海氷の多寡に対する宗谷暖流の影響に関する数値実験的研究
キーワード:海洋物理、海氷-海洋結合領域モデル、合成図解析、海面水温偏差、海氷分布、宗谷暖流
オホーツク海は北太平洋北西部に隣接する縁辺海であり, 北半球で海氷が最も南部にまで広がる季節海氷域として知られている. 海氷中には植物プランクトンに必須の微量金属元素である溶存鉄が含まれていることから, 海氷変動の理解は海洋低次生態系の形成やその予測において重要である. これまで, オホーツク海全体の海氷分布の変動要因について, 秋季から冬季の海面冷却やオホーツク海北部からサハリン東岸を伝って南下する低温低塩の東樺太海流の変動の影響が指摘されているが, オホーツク海南部の海氷の多寡を決める要因は十分理解されているとは言い難い. 本研究では, 海氷-海洋結合領域モデルを用いた歴史実験を実施し, オホーツク海南部における海氷分布の年々変動と日本海側からオホーツク海側に流入する高塩高温の宗谷暖流の変動との関係を調査した. 1994年から2017年までのオホーツク海南部における海氷の多寡に基づいた海面水温の合成図解析より, 海氷が少ない年は結氷前の12月の宗谷暖流の流軸に沿った海域で水温と塩分が平年よりも高い傾向が見られた. 宗谷海峡での流量変動を調べた結果, オホーツク海南部の海氷が少ない年は, 11~12月のオホーツク海に流入する方向に流量が多くなる傾向が見られた. このことから, オホーツク海南部の海氷の多寡には, 秋季における宗谷暖流の変動が関係していることが示唆される. 講演時には, 宗谷暖流の熱輸送に関する感度実験によって, オホーツク海南部の海氷分布に対する宗谷暖流のインパクトを評価すると共に, その変動メカニズムを議論する.