11:15 〜 11:30
[ACG53-09] 気候変動観測衛星GCOM-Cによる黒潮分岐流の鹿児島湾流入と春季植物プランクトンブルームの空間解析
キーワード:黒潮、衛星、植物プランクトン、SGLI
黒潮はフィリピンに端を発し、台湾の東側から日本の太平洋沿岸を通過する流れであり、その動態は沿岸の生物生産過程に大きく影響する。鹿児島湾は黒潮分岐流の影響を受ける閉鎖性の高い湾であり、黒潮流入が湾内の物質循環および生態系に大きな影響を与えることが知られている。特に、黒潮流入が植物プランクトンブルームの発生にどのように関与するかは明確ではない。本研究では、2019年および2020年に観測された強い流入イベント(2019年3月17~25日)および弱い流入イベント(2020年3月7~11日)を対象に、SGLI(Second Generation Global Imager)衛星データおよびフェリー観測データを用いて、黒潮流入の強度が植物プランクトンの空間分布と動態に与える影響を評価した。
SGLIによるChl-aおよびSSTの解析から、黒潮流入の強度によって湾内の植物プランクトン動態が異なることが明らかになった。2019年の強い流入イベントでは、湾内のChl-a濃度が一時的に増加した後、湾口部での急激な希釈により低下した。一方、2020年の弱い流入イベントでは、湾内でのChl-aの増加が持続し、後に湾口部へと輸送される傾向が確認された。フェリー観測データによるSSTの変化率を解析した結果、年間3~7回、1℃/dayを超える急激な水温上昇が観測され、これが黒潮流入の指標となることが示された。また、空間自己相関解析では、湾内の東側を中心に45.4%の領域が湾口部の変動と同期していることが示された。部分自己相関解析では、–5日(湾内が先)および+5日(湾口が先)の両方で高い相関が確認され、湾内のChl-a動態には5日間の周期性があることが示唆された。
これらの結果は、黒潮流入の強度が植物プランクトンブルームの発生メカニズムに大きく影響を与えることを示している。強い流入時には湾口部での急速な希釈が起こり、ブルームが形成されにくいのに対し、弱い流入時には湾内でのブルームが持続し、その後湾外へ輸送されるプロセスが確認された。さらに、このような湾内でのブルームの形成と輸送が、黒潮域の低次生産に寄与している可能性がある。これらの知見は、黒潮流入に伴う沿岸生態系の動態を理解する上で重要であり、今後の沿岸管理や生態系モデルの構築に貢献することが期待される。
SGLIによるChl-aおよびSSTの解析から、黒潮流入の強度によって湾内の植物プランクトン動態が異なることが明らかになった。2019年の強い流入イベントでは、湾内のChl-a濃度が一時的に増加した後、湾口部での急激な希釈により低下した。一方、2020年の弱い流入イベントでは、湾内でのChl-aの増加が持続し、後に湾口部へと輸送される傾向が確認された。フェリー観測データによるSSTの変化率を解析した結果、年間3~7回、1℃/dayを超える急激な水温上昇が観測され、これが黒潮流入の指標となることが示された。また、空間自己相関解析では、湾内の東側を中心に45.4%の領域が湾口部の変動と同期していることが示された。部分自己相関解析では、–5日(湾内が先)および+5日(湾口が先)の両方で高い相関が確認され、湾内のChl-a動態には5日間の周期性があることが示唆された。
これらの結果は、黒潮流入の強度が植物プランクトンブルームの発生メカニズムに大きく影響を与えることを示している。強い流入時には湾口部での急速な希釈が起こり、ブルームが形成されにくいのに対し、弱い流入時には湾内でのブルームが持続し、その後湾外へ輸送されるプロセスが確認された。さらに、このような湾内でのブルームの形成と輸送が、黒潮域の低次生産に寄与している可能性がある。これらの知見は、黒潮流入に伴う沿岸生態系の動態を理解する上で重要であり、今後の沿岸管理や生態系モデルの構築に貢献することが期待される。