日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG54] 有人・無人航空機による気候・地球システム科学研究の推進

2025年5月27日(火) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (4) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、小池 真(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻)、町田 敏暢(国立環境研究所)、篠田 太郎(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、座長:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、小池 真(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻)


14:30 〜 14:45

[ACG54-04] 陸風に伴って都市圏から流出する超微小粒子
-マルチコプタによる鉛直分布観測ー

*林 政彦1、城戸 英昭1、福井 優1 (1.福岡大学)

キーワード:無人航空機、陸風、超微小粒子

福岡平野の沿岸から7km離れた博多湾と外洋(玄界灘)の境界に位置する志賀島において2024年11月4日に陸風により流出する高度140mまでの接地層中の超微小粒子(直径10 nm以上)の濃度の鉛直分布と地上の時系列変化をそれぞれマルチコプタ、地上連続観測によって観測した。また、福岡大学-志賀島間の車両による移動観測を5:00~6:00、13:30~14:30 に行った。
7:00から10:00に吹いていた陸風(南寄りの風)内で、上層に前日の凝集により濃度が8,000個/cm3程度に低下した、人間活動の影響を受ける前の地上付近の濃度と同程度の残余汚染気塊、下層に人間活動開始とともに排出された汚染物質を含む気塊(厚さ60~140m、濃度10,000~30,000個/cm3)がみられた。汚染気塊の厚さは、福岡市の建築物の高さの制限高度に対応していた。また、熱的に安定な条件下でも汚染層の厚さは120mまで達しており、機械的混合により鉛直輸送がされていた都市キャノピー層が流出した結果であると示唆された。10:00~10:30に上層から西風に変化する中で陸風で海上へ輸送され水蒸気を含んだ都市の汚染気塊が志賀島を覆った後、西風下で海洋起源とみられる超微小粒子数濃度が5,000個/㎤程度の清浄な気塊が志賀島を覆った。これらの結果は、これまでの福岡平野におけるUAV観測に基づいて得られた都市キャノピー層に対応する汚染気塊の構造とも整合的であった。