15:00 〜 15:15
[AGE34-06] PFLOTRANを用いた地層内におけるCO₂のハイドレート化と拡散挙動の数値シミュレーション
キーワード:CCS、CO₂ハイドレート、数値シミュレーション
大気中のCO2を分離回収し、地層内に貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトの大規模展開は、気候変動を抑制するうえで重要な役割を期待されているが、地下の貯留層におけるCO2貯留には依然として大きな不確実性が存在する。近年注目されているのが、海底面下の砂層貯留層にCO2を圧入し、CO2ハイドレートとして貯留する技術である。本研究では、大規模並列型多相流・反応輸送シミュレータPFLOTRANを用い、日本近海の海底面下の貯留層内におけるCO2のハイドレート化と拡散挙動の数値シミュレーションを実施する。
CO2ハイドレートは、水分子が構成するかご構造の内部にCO2分子が取り込まれた結晶構造を持ち、低温高圧環境においてのみ生成する。南海トラフ周辺の深度1000mの海域を想定した場合、CO2ハイドレートの安定領域は、海底面0mbsfから263mbsfと概算される。本研究では、南海トラフ周辺の深度1000mの海底面下の貯留層におけるCO2の圧入シミュレーションを実施した。なお、CO2の圧入温度と圧入速度をパラメータに設定し、貯留層内におけるCO2の濃度、間隙水の塩分濃度を考慮した。
本研究におけるCO2の圧入シミュレーションには、PFLOTRANを用いた。PFLOTRANは、貯留層内の流体挙動と反応輸送を記述する偏微分方程式に対して陰解法による計算を実行し、各タイムステップごとに結果を出力する。シミュレーションには、円筒型の三次元モデルから切り抜いた二次元の貯留層モデルを採用した。地層構造は、シール層と貯留層が重なった二層構造とし、海底面から200mbsfを泥層からなるシール層、200mbsfから220mbsfを砂層からなる貯留層とした。また、シール層と貯留層の孔隙率をそれぞれ0.1と0.35とし、絶対浸透率をぞれぞれ1.0×10-16m2と1.0×10-12m2に設定した。CO2の圧入速度(1.0×108kg/年、1.0×107kg/年、1.0×106kg/年、1.0×105kg/年)および圧入温度(20℃(液相)、40℃(超臨界相))をパラメータとして設定し、圧入速度と圧入温度の組み合わせによって8つのシナリオを設計した。なお、シミュレーションモデルは、すべてのシナリオにおいて同一のものを用いた。
シミュレーションの結果、圧入速度が大きいほどCO2ハイドレートの最大到達距離が大きく、圧入温度が低いほど圧入井付近におけるCO2ハイドレートの生成が活発となることが確認された。時間による変化を追うと、CO2ハイドレートが貯留層の中間あたりから外側へ向かって水平方向に成長し、自己シールを形成することが分かった。圧入速度1.0×108kg/年においては、貯留層だけでなく圧入井付近のシール層においてもCO2ハイドレートの生成が確認された。圧入速度1.0×107kg/年では、貯留層のみに広範囲なCO2貯留が可能であることが確認された。また、圧入速度1.0×105kg/年においては、CO2ハイドレートの生成範囲は小さかったものの、CO2ハイドレートの体積分率は最も高い結果となった。圧入温度に関しては、圧入井付近におけるCO2ハイドレート生成の様子を除くと、その影響はわずかであった。20℃-1.0×106kg/年のシナリオを除くすべてのシナリオにおいては、100年時点においても、間隙水-流体相CO2-CO2ハイドレートの三相共存領域が残存した。
パラメータ分析の結果、圧入速度とCO2ハイドレートの総生成量の間には、正の相関が見られた。また、圧入速度とハイドレート相の質量分率との間には、負の相関が見られた。本シミュレーション条件下においては、20℃-1.0×108kg/年での圧入が、CO2の地層内貯留に関して、貯留量、貯留効率ともに最も優位であった。
CO2ハイドレートは、水分子が構成するかご構造の内部にCO2分子が取り込まれた結晶構造を持ち、低温高圧環境においてのみ生成する。南海トラフ周辺の深度1000mの海域を想定した場合、CO2ハイドレートの安定領域は、海底面0mbsfから263mbsfと概算される。本研究では、南海トラフ周辺の深度1000mの海底面下の貯留層におけるCO2の圧入シミュレーションを実施した。なお、CO2の圧入温度と圧入速度をパラメータに設定し、貯留層内におけるCO2の濃度、間隙水の塩分濃度を考慮した。
本研究におけるCO2の圧入シミュレーションには、PFLOTRANを用いた。PFLOTRANは、貯留層内の流体挙動と反応輸送を記述する偏微分方程式に対して陰解法による計算を実行し、各タイムステップごとに結果を出力する。シミュレーションには、円筒型の三次元モデルから切り抜いた二次元の貯留層モデルを採用した。地層構造は、シール層と貯留層が重なった二層構造とし、海底面から200mbsfを泥層からなるシール層、200mbsfから220mbsfを砂層からなる貯留層とした。また、シール層と貯留層の孔隙率をそれぞれ0.1と0.35とし、絶対浸透率をぞれぞれ1.0×10-16m2と1.0×10-12m2に設定した。CO2の圧入速度(1.0×108kg/年、1.0×107kg/年、1.0×106kg/年、1.0×105kg/年)および圧入温度(20℃(液相)、40℃(超臨界相))をパラメータとして設定し、圧入速度と圧入温度の組み合わせによって8つのシナリオを設計した。なお、シミュレーションモデルは、すべてのシナリオにおいて同一のものを用いた。
シミュレーションの結果、圧入速度が大きいほどCO2ハイドレートの最大到達距離が大きく、圧入温度が低いほど圧入井付近におけるCO2ハイドレートの生成が活発となることが確認された。時間による変化を追うと、CO2ハイドレートが貯留層の中間あたりから外側へ向かって水平方向に成長し、自己シールを形成することが分かった。圧入速度1.0×108kg/年においては、貯留層だけでなく圧入井付近のシール層においてもCO2ハイドレートの生成が確認された。圧入速度1.0×107kg/年では、貯留層のみに広範囲なCO2貯留が可能であることが確認された。また、圧入速度1.0×105kg/年においては、CO2ハイドレートの生成範囲は小さかったものの、CO2ハイドレートの体積分率は最も高い結果となった。圧入温度に関しては、圧入井付近におけるCO2ハイドレート生成の様子を除くと、その影響はわずかであった。20℃-1.0×106kg/年のシナリオを除くすべてのシナリオにおいては、100年時点においても、間隙水-流体相CO2-CO2ハイドレートの三相共存領域が残存した。
パラメータ分析の結果、圧入速度とCO2ハイドレートの総生成量の間には、正の相関が見られた。また、圧入速度とハイドレート相の質量分率との間には、負の相関が見られた。本シミュレーション条件下においては、20℃-1.0×108kg/年での圧入が、CO2の地層内貯留に関して、貯留量、貯留効率ともに最も優位であった。