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[AHW23-P02] 東京都北東部の台地-低地境界部における地下水流動

キーワード:地下水流動系、台地-低地境界部、無機溶存成分、安定同位体、東京都
一般に地下水流動は地形面起伏や地質構造により規制されるが, 異なる形成背景をもつ地形単位の境界部においては, 両条件が顕著に変化することによって, 地下水流動が複雑になると考えられる. また, 台地-低地境界部において水理水頭が連続であっても, 地下水の溶存成分が大きく異なる場合が指摘される. しかし, 従来, 地形単位の境界部において溶存成分を含む地下水に関する諸データは十分得られておらず, ゆえに地下水流動についても多くは明らかにされていない. そこで, 本研究では, 東京都北東部の台地-低地境界部を対象として, 主に地下水の無機溶存成分および安定同位体等の質的データの空間分布を検討することによって, 当境界部における地下水流動を明らかにした.
本研究では, 2024年5月から10月にかけて, 東京都北東部における湧水, 地下水, 河川水の採水を行い, 全試料を対象に無機溶存イオン濃度, SiO2濃度, 水素・酸素安定同位体比を分析した. 加えて, 地下水の水理水頭および採水井戸におけるボーリング図等の既存情報を収集し, 以上のデータに関して鉛直二次元断面を含む空間分布の解析を行った.
台地-低地境界部において, 鉛直二次元断面における地下水の各種成分および水理水頭の空間分布を検討した結果, 境界部北部において, Ca-HCO3型の地下水が台地から低地にかけて幅広い深度で分布することが認められ, 地下水の水理水頭分布からも台地から低地へ連続的に流動し, 低地で流出する地下水流動の存在が示された. また, 境界部東部の浅層部においてCa-HCO3型の地下水が台地および低地にみられ, 地下水の水理水頭分布からも台地から低地へ連続する地下水流動の存在が示されるとともに, 深度200 m程度から深度50 m程度にかけてNa-HCO3型の地下水が分布することから, 深層から浅層へ向かう地下水流動が存在することが示唆された.
加えて, 山地, 台地, 低地における降水および地下水の酸素安定同位体比を比較分析した結果, 台地-低地境界部の北部におけるCa-HCO3型の地下水は台地西部を涵養域とする一方, 台地-低地境界部の東部におけるNa-HCO3型の地下水は山地を涵養域とすることが示唆された.
以上の結果から, 東京都北東部の台地-低地境界部において, 北部では台地西部から低地に至る数十km規模の地下水流動系が認められる一方, 東部では山地から低地に至る50 kmを超える規模の地下水流動系がみられた. したがって, 当該地域においてはスケールの異なる地下水流動系が併存しており, 三次元的に複雑な空間構造のもとで地下水流動が生じていることが示唆される.
本研究では, 2024年5月から10月にかけて, 東京都北東部における湧水, 地下水, 河川水の採水を行い, 全試料を対象に無機溶存イオン濃度, SiO2濃度, 水素・酸素安定同位体比を分析した. 加えて, 地下水の水理水頭および採水井戸におけるボーリング図等の既存情報を収集し, 以上のデータに関して鉛直二次元断面を含む空間分布の解析を行った.
台地-低地境界部において, 鉛直二次元断面における地下水の各種成分および水理水頭の空間分布を検討した結果, 境界部北部において, Ca-HCO3型の地下水が台地から低地にかけて幅広い深度で分布することが認められ, 地下水の水理水頭分布からも台地から低地へ連続的に流動し, 低地で流出する地下水流動の存在が示された. また, 境界部東部の浅層部においてCa-HCO3型の地下水が台地および低地にみられ, 地下水の水理水頭分布からも台地から低地へ連続する地下水流動の存在が示されるとともに, 深度200 m程度から深度50 m程度にかけてNa-HCO3型の地下水が分布することから, 深層から浅層へ向かう地下水流動が存在することが示唆された.
加えて, 山地, 台地, 低地における降水および地下水の酸素安定同位体比を比較分析した結果, 台地-低地境界部の北部におけるCa-HCO3型の地下水は台地西部を涵養域とする一方, 台地-低地境界部の東部におけるNa-HCO3型の地下水は山地を涵養域とすることが示唆された.
以上の結果から, 東京都北東部の台地-低地境界部において, 北部では台地西部から低地に至る数十km規模の地下水流動系が認められる一方, 東部では山地から低地に至る50 kmを超える規模の地下水流動系がみられた. したがって, 当該地域においてはスケールの異なる地下水流動系が併存しており, 三次元的に複雑な空間構造のもとで地下水流動が生じていることが示唆される.