17:15 〜 19:15
[AHW27-P15] 石西礁湖における底質中の海水に交換可能なリン酸塩(EPS)とサンゴ礁生態系の関連

キーワード:サンゴの減少、石灰質底質、陸域負荷、海水に交換可能なリン酸塩
【背景・目的】石西礁湖は日本有数のサンゴ礁地帯であるが、1998年以降、海水温上昇に伴う大規模白化現象が繰り返されており、生態系の衰退が危惧されている。さらに近年、栄養塩などの陸域負荷がサンゴ礁の回復を妨げている事が指摘されている。本研究室では、石灰質の底質表面に吸着・蓄積しているリン酸塩を新たな陸域負荷の指標としてEPS(Exchangeable Phosphate in Seawater)と定義し、サンゴ群体数等を継続的に調査している。本研究では、サンゴ群集モニタリング事業(環境省)の一環として、31定点において、EPS値とサンゴ生育状況との関連性を調べた。
【材料・方法】2024年9月に石西礁湖の31定点で底質(n=3)を採取し、乾燥・篩分け後、粒径0.5∼1 mmの底質6 gと海水15 mlを30℃で72時間振盪した。その後、遠心・濾過をし、分光光度計でリン酸塩濃度を測定した。底質1 g当たりのPO4-P重量µgを算出し、EPS値とした。EPSと2021~2023年のサンゴ属別群体数、2021~2024年の白化状態、藻類被度とスピアマン相関分析を行った。また、TITAN (Threshold Indicator Taxa Analysis)を用いてEPSの閾値を統計的に算出した。
【結果・考察】EPS値はリーフ外地点では低い値を示したが、竹富島の南西・南東や黒島東側で高く、エビ養殖排水・産業排出の影響が示唆された。スピアマン相関分析の結果、多くの優占種のサンゴがEPSと有意な負の相関を示した。ホンダワラ類は毎年正の相関を示し、EPSの上昇が藻類増加を促す可能性が示唆された。EPSと白化との関連では、2021年に有意な相関があったが、大規模白化が起こった2022年と2024年では、サンゴの群体数や健康なサンゴが減少したこともあり、EPSとの相関関係は得られなかった。EPSの閾値は、稚サンゴ:0.45 ± 0.15 µg/g、成体サンゴ:0.57 ± 0.15 µg/gで、稚サンゴでEPSの感受性がより高かった。本研究により、EPSが陸域負荷指標となりうることが示され、サンゴ礁保全対策への貢献が期待できる。
【材料・方法】2024年9月に石西礁湖の31定点で底質(n=3)を採取し、乾燥・篩分け後、粒径0.5∼1 mmの底質6 gと海水15 mlを30℃で72時間振盪した。その後、遠心・濾過をし、分光光度計でリン酸塩濃度を測定した。底質1 g当たりのPO4-P重量µgを算出し、EPS値とした。EPSと2021~2023年のサンゴ属別群体数、2021~2024年の白化状態、藻類被度とスピアマン相関分析を行った。また、TITAN (Threshold Indicator Taxa Analysis)を用いてEPSの閾値を統計的に算出した。
【結果・考察】EPS値はリーフ外地点では低い値を示したが、竹富島の南西・南東や黒島東側で高く、エビ養殖排水・産業排出の影響が示唆された。スピアマン相関分析の結果、多くの優占種のサンゴがEPSと有意な負の相関を示した。ホンダワラ類は毎年正の相関を示し、EPSの上昇が藻類増加を促す可能性が示唆された。EPSと白化との関連では、2021年に有意な相関があったが、大規模白化が起こった2022年と2024年では、サンゴの群体数や健康なサンゴが減少したこともあり、EPSとの相関関係は得られなかった。EPSの閾値は、稚サンゴ:0.45 ± 0.15 µg/g、成体サンゴ:0.57 ± 0.15 µg/gで、稚サンゴでEPSの感受性がより高かった。本研究により、EPSが陸域負荷指標となりうることが示され、サンゴ礁保全対策への貢献が期待できる。
