17:15 〜 19:15
[AHW30-P07] 窒素・酸素安定同位体比に基づく河口湖・湖水中の硝酸性窒素の起源推定
キーワード:硝酸態窒素、安定同位体、湖沼、河川
硝酸性窒素(NO3-N)は主要な水質汚濁物質の一つであり、地下水等を通じて湖沼に多量に流入することで富栄養化を引き起こす。そのため、清浄な湖水環境を維持する上で、硝酸性窒素の供給源に関する情報は極めて重要である。山梨県富士山北麓に位置する火山性堰き止め湖の河口湖では、1960年代以降、人為起源の窒素の流入により富栄養化が急激に進んだとされる。河口湖の流入河川水中の栄養塩濃度は春季に増加傾向を示し、農業排水からの寄与を示唆するものの、湖水の大部分は地下水・伏流水起源であり、富栄養化の要因となる窒素の起源については依然として不明な点が多い。そこで本研究では, 河口湖の流入河川および湖水中に含まれるNO3-N濃度、窒素(δ15NNO3)・酸素(δ18ONO3)安定同位体比の分析し、その起源の検討を行った。
本研究では、2022年4月から2023年3月に河口湖の主要流入河川(寺川・奥川)の下流部で、毎月1回採水を行った。試料は0.2 µmのメンブレンフィルターで濾過し、イオンクロマトグラフ法によりNO3-N濃度を測定、脱窒菌法によりNO3-Nの窒素(δ15NNO3)・酸素(δ18ONO3)安定同位体比を測定した。また、2023年4月から2023年12月にかけて、河口湖の湖心部で表層から2 m間隔で湖水のサンプリングを行い、NO3-N濃度およびδ15NNO3・δ18ONO3の分析を行った。
寺川の河川水中のδ15NNO3は、1.4〜6.8‰の範囲にあり、特に5月および10〜11月の試料ではNO3-N濃度、δ15NNO3がともに増加することから、人為的な窒素の流入が示唆された。また、奥川の河川水中のδ15NNO3(–1.6〜2.1‰)は寺川に比べ低く、台風後の10〜11月にNO3-N濃度とδ15NNO3がともに増加することから、降雨による表流水の流入が示唆された。一方、湖水中のδ15NNO3(–0.1‰〜8.2‰)およびδ18ONO3(–0.9‰〜11.6‰)は、奥川に近い値を示した6月の底層付近の試料を除けば、流入河川(寺川・奥川)の値と大きく異なっていた。このことは、循環期の河口湖において湖水中のNO3-Nの大半が、河川由来ではなく、有機物の分解・硝化由来であることを示唆している。6月の底層付近では、NO3-N濃度についても著しく高い値が得られており、試料採取日の3~4日前の降雨イベント(約240 mm)に伴う地下水流入によりNO3-Nが負荷されたものと考えられる。
本研究では、2022年4月から2023年3月に河口湖の主要流入河川(寺川・奥川)の下流部で、毎月1回採水を行った。試料は0.2 µmのメンブレンフィルターで濾過し、イオンクロマトグラフ法によりNO3-N濃度を測定、脱窒菌法によりNO3-Nの窒素(δ15NNO3)・酸素(δ18ONO3)安定同位体比を測定した。また、2023年4月から2023年12月にかけて、河口湖の湖心部で表層から2 m間隔で湖水のサンプリングを行い、NO3-N濃度およびδ15NNO3・δ18ONO3の分析を行った。
寺川の河川水中のδ15NNO3は、1.4〜6.8‰の範囲にあり、特に5月および10〜11月の試料ではNO3-N濃度、δ15NNO3がともに増加することから、人為的な窒素の流入が示唆された。また、奥川の河川水中のδ15NNO3(–1.6〜2.1‰)は寺川に比べ低く、台風後の10〜11月にNO3-N濃度とδ15NNO3がともに増加することから、降雨による表流水の流入が示唆された。一方、湖水中のδ15NNO3(–0.1‰〜8.2‰)およびδ18ONO3(–0.9‰〜11.6‰)は、奥川に近い値を示した6月の底層付近の試料を除けば、流入河川(寺川・奥川)の値と大きく異なっていた。このことは、循環期の河口湖において湖水中のNO3-Nの大半が、河川由来ではなく、有機物の分解・硝化由来であることを示唆している。6月の底層付近では、NO3-N濃度についても著しく高い値が得られており、試料採取日の3~4日前の降雨イベント(約240 mm)に伴う地下水流入によりNO3-Nが負荷されたものと考えられる。