17:15 〜 19:15
[AHW31-P05] 都市の浅層地下水位の降雨に対する速やかな応答について-都市地下水の涵養プロセスに注目して-
キーワード:都市、浅層地下水、地下水位、降水
東京都品川区北品川・南品川地区の浅層地下水を対象に,都市の浅層地下水の起源,水質形成プロセス,賦存量の解明に向けた研究を実施中である。その一環として,浅層地下水位の季節変化や降雨に対する応答特性を把握するため,2024年6月から北品川地区の2地点,南品川地区の1地点に水位/水温計測データロガーを設置し,地下水位の連続自記観測を行っている。本研究は北品川地区の地点N2の地下水位データを中心に,得られた結果について報告する。
地点N2は打ち込み井戸であり,深度9.1 m,口径12 cm,またスクリーン深度は不明である。地質は砂,シルト質砂,砂質シルトなどから構成される。データロガーは地表面下3.0 mの地下水中に設置してあり,10分間隔で観測を行っている。半年間にわたる観測の結果,地点N2の浅層地下水位は降雨に対して速やかに応答することが明らかとなった。例えば,2024年8月16日の午前10:50-11:00に1.0 mm,続く午前11:00-11:10に9.0 mm の降雨があったが,この降雨イベントに対応して,地下水面は降雨前の地表面下1.16 m(午前10:50)から午前11:10には0.71 mへと0.45 m上昇した。降雨ピークと地下水位のそれとの間のタイムラグは10分以内であった。地点N2では,降雨強度が強い別の複数の降雨イベント時にも同様の現象が観測されている。
このような地下水面の速やかな上昇について,現時点では雨水排水管や取付管からの雨水成分の地中漏水に原因があるのではないかと考えている。降水は雨水排水管や取付管を経由して下水道管(地点N2周辺では地表面下0.9-1.0 m程度に敷設)へ流れ込むが,老朽化などにより雨水排水管や取付管は破損している可能性が高い。その地下の破損部から流出する降水成分が地下水を直接涵養するために,降雨に対応して速やかに地下水面が上昇するものと考えられる。品川区の被覆率(人工構造物被覆地の割合)が82.2%(2022年)と高いこと,また非被覆地であっても踏み固めなどによって表層の透水性が低い場合が多いことを考慮すると,地表面を通過して鉛直浸透した降水がこのように短時間で地下水を涵養するとは考えにくい。当日は地点N2以外の地下水位データも示しながら,降雨に対する地下水位の速やかな応答プロセスについて議論を行う。
本研究は,日本科学協会の笹川科学研究助成を受けて実施された。
地点N2は打ち込み井戸であり,深度9.1 m,口径12 cm,またスクリーン深度は不明である。地質は砂,シルト質砂,砂質シルトなどから構成される。データロガーは地表面下3.0 mの地下水中に設置してあり,10分間隔で観測を行っている。半年間にわたる観測の結果,地点N2の浅層地下水位は降雨に対して速やかに応答することが明らかとなった。例えば,2024年8月16日の午前10:50-11:00に1.0 mm,続く午前11:00-11:10に9.0 mm の降雨があったが,この降雨イベントに対応して,地下水面は降雨前の地表面下1.16 m(午前10:50)から午前11:10には0.71 mへと0.45 m上昇した。降雨ピークと地下水位のそれとの間のタイムラグは10分以内であった。地点N2では,降雨強度が強い別の複数の降雨イベント時にも同様の現象が観測されている。
このような地下水面の速やかな上昇について,現時点では雨水排水管や取付管からの雨水成分の地中漏水に原因があるのではないかと考えている。降水は雨水排水管や取付管を経由して下水道管(地点N2周辺では地表面下0.9-1.0 m程度に敷設)へ流れ込むが,老朽化などにより雨水排水管や取付管は破損している可能性が高い。その地下の破損部から流出する降水成分が地下水を直接涵養するために,降雨に対応して速やかに地下水面が上昇するものと考えられる。品川区の被覆率(人工構造物被覆地の割合)が82.2%(2022年)と高いこと,また非被覆地であっても踏み固めなどによって表層の透水性が低い場合が多いことを考慮すると,地表面を通過して鉛直浸透した降水がこのように短時間で地下水を涵養するとは考えにくい。当日は地点N2以外の地下水位データも示しながら,降雨に対する地下水位の速やかな応答プロセスについて議論を行う。
本研究は,日本科学協会の笹川科学研究助成を受けて実施された。