日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS17] 海洋微生物生態系

2025年5月27日(火) 09:00 〜 10:30 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:星野 辰彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、吉澤 晋(東京大学)、Yamada Yosuke(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、座長:星野 辰彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、吉澤 晋(東京大学)、Yosuke Yamada(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)

10:15 〜 10:30

[AOS17-06] 一大未知生物群・アセトスポラの多様性と生態学的役割の理解に向けた研究

*矢吹 彬憲1,2、藤井 豊展3,1、池田 実1,3 (1.変動海洋エコシステム高等研究所、2.海洋研究開発機構、3.東北大学)

キーワード:原生生物、寄生、アセトスポラ、カイアシ、女川湾

アセトスポラはスーパーグループ・リザリアに属す寄生性原生生物の一群であり、主に海産無脊椎動物を宿主とし生活している。これまでに約50種が記載されており、一部の種はカキやカニなどの水産資源生物に感染し重篤な症状を引き起こすことから、防除対象生物としても注目されている。また、温暖化等の環境変動に伴い、その被害の深刻化も懸念されている。その一方で、海洋環境中には宿主不明なアセトスポラが大量に存在していることが近年の環境DNA解析から示され、現在の多様性や生態学的な役割に関する理解は限定的なことがわかっている。それら実体が不明なアセトスポラに関する理解は、より正確に海洋生態系構造を把握するためにも、また懸念されている環境変動に伴い顕在化するリスクを評価する上でも重要である。これまで長い間、アセトスポラの培養方法は確立しておらず集中的な研究が進んでいなかったが、発表者らにより最近その培養方法も確立され、その研究は急速に進みつつある。本発表では、宮城県女川湾で実施したサンプリングによって得られたアセトスポラを報告するとともに、宿主候補であるカイアシとアセトスポラそれぞれを対象に実施したメタバーコーディング解析の結果から見えてきた、一部のアセトスポラの感染様式についても議論したい。