16:15 〜 16:30
[AOS17-10] 窒素固定能をもつ単細胞性シアノバクテリアC. watasoniiにおけるフィコエリスリンの役割
キーワード:シアノバクテリア、窒素固定、フィコエリスリン、不均一
窒素は鉄とならび海洋一次生産の最も主要な律速要因である。特に周年成層が発達し、有光層以深から硝酸態窒素が表面に供給されにくい亜熱帯貧栄養塩海域では、系外の窒素ガスをアンモニウム塩に還元する窒素固定能を持つシアノバクテリアが海洋窒素循環の起点となり海域の生産を支える。単細胞シアノバクテリア Crocosphaerea watasonii は熱帯および亜熱帯海域に広く分布する。C. watsonii は短波長の光を吸収するフィコエリスロビリンおよびフィコウロビリンにより構成される高いフィコエリスリン濃度がその特徴である。しかし、その役割は明らかとなっていない。
本研究では、C. watsoniiをYBCII培地で50 µmol photons m-2 s-1 12L:12Dの光条件下で培養し、観察前3回以上毎週1 × 106 cells mL-1 に希釈して、希釈から3日後に光合成関連タンパクの細胞内分布を観察した。窒素源の影響を明らかにするためにアンモニウム添加区をもうけ、観察前に上記と同様の順応を行った。光合成関連タンパクの細胞内分布の観察するために共焦点顕微鏡(LSM880, Zeiss)を用い、まず3チャンネルイメージングを行った: (1)フィコシアニンを励起した場合のフィコビリゾーム蛍光(Ex. 633 nm, Em. 641-677nm)、(2)クロロフィルおよびフィコウロビリンを励起した場合のフィコエリスリン蛍光(Ex. 488 nm, Em. 490-758 nm)、(3)クロロフィルおよびフィコウロビリンを励起した場合のクロロフィル蛍光(Ex. 488 nm, Em. 695-758 nm)。これらの分布の違いによりフィコエリスリンがフィコビリゾームに接続しているか、フィコビリゾームがチラコイド膜上の光合成系IIに接続しているかを判断した。これらが接続していなければフィコエリスリンは光エネルギーを光合成に供給していないと判断される。さらにクロロフィルを励起して410 - 495 nmの範囲でラムダスキャンを行い蛍光スペクトルを取得した。観察は3 - 12時間毎に24時間、58 - 255細胞を対象に解析した。
3チャンネルイメージングにより細胞内の光合成関連タンパクの分布が局在的でありクロロフィル・フィコビリゾーム・フィコエリスリンがオーバーラップする箇所はごく限られた。このことは光合成に関与するフィコエリスリンがごく限られることを示唆する。さらに光合成関連タンパクの細胞内分布の様子は細胞間で多様であり、窒素固定環境下とアンモニウム環境下で異なった。窒素固定環境下で培養した場合にはフィコエリスリンが単独で細胞の中心部にチラコイド膜から離れて存在する場合が多く観察された。他方アンモニウム環境下で培養した細胞では明期に細胞によって優占する光合成関連タンパクの組み合わせが異なり、多くの細胞でクロロフィル・フィコビリゾーム・フィコエリスリンがオーバーラップが局在的であることに加えて優占する光合成タンパクの組み合わせはクロロフィル・フィコビリゾームあるいは、フィコビリゾーム・フィコエリスリンであった。興味深いことに暗期にはクロロフィル・フィコビリゾームが細胞周縁部に、フィコビリゾーム・フィコエリスリンがその内側に分布し、昼夜で細胞内での光合成タンパクが移動していることが明らかとなった。この結果は利用できる窒素の化学形態に関わらずフィコエリスリンは一部しか光合成に利用されていないことを示す。
C. watsoniiは一部の細胞が窒素固定を休むことが明らかになっており、窒素固定を休む細胞が存在することにより、コミュニティとしてエネルギーを節約して分布を深層まで拡大できると考えられている。他方、フィコエリスリンは光合成に必要な光エネルギーの吸収する他、窒素源としての役割が知られてきたが、新たに抗酸化剤としての役割が明らかとなってきた。発表では窒素固定のON/OFFとフィコエリスリンの関連について考察する。
本研究では、C. watsoniiをYBCII培地で50 µmol photons m-2 s-1 12L:12Dの光条件下で培養し、観察前3回以上毎週1 × 106 cells mL-1 に希釈して、希釈から3日後に光合成関連タンパクの細胞内分布を観察した。窒素源の影響を明らかにするためにアンモニウム添加区をもうけ、観察前に上記と同様の順応を行った。光合成関連タンパクの細胞内分布の観察するために共焦点顕微鏡(LSM880, Zeiss)を用い、まず3チャンネルイメージングを行った: (1)フィコシアニンを励起した場合のフィコビリゾーム蛍光(Ex. 633 nm, Em. 641-677nm)、(2)クロロフィルおよびフィコウロビリンを励起した場合のフィコエリスリン蛍光(Ex. 488 nm, Em. 490-758 nm)、(3)クロロフィルおよびフィコウロビリンを励起した場合のクロロフィル蛍光(Ex. 488 nm, Em. 695-758 nm)。これらの分布の違いによりフィコエリスリンがフィコビリゾームに接続しているか、フィコビリゾームがチラコイド膜上の光合成系IIに接続しているかを判断した。これらが接続していなければフィコエリスリンは光エネルギーを光合成に供給していないと判断される。さらにクロロフィルを励起して410 - 495 nmの範囲でラムダスキャンを行い蛍光スペクトルを取得した。観察は3 - 12時間毎に24時間、58 - 255細胞を対象に解析した。
3チャンネルイメージングにより細胞内の光合成関連タンパクの分布が局在的でありクロロフィル・フィコビリゾーム・フィコエリスリンがオーバーラップする箇所はごく限られた。このことは光合成に関与するフィコエリスリンがごく限られることを示唆する。さらに光合成関連タンパクの細胞内分布の様子は細胞間で多様であり、窒素固定環境下とアンモニウム環境下で異なった。窒素固定環境下で培養した場合にはフィコエリスリンが単独で細胞の中心部にチラコイド膜から離れて存在する場合が多く観察された。他方アンモニウム環境下で培養した細胞では明期に細胞によって優占する光合成関連タンパクの組み合わせが異なり、多くの細胞でクロロフィル・フィコビリゾーム・フィコエリスリンがオーバーラップが局在的であることに加えて優占する光合成タンパクの組み合わせはクロロフィル・フィコビリゾームあるいは、フィコビリゾーム・フィコエリスリンであった。興味深いことに暗期にはクロロフィル・フィコビリゾームが細胞周縁部に、フィコビリゾーム・フィコエリスリンがその内側に分布し、昼夜で細胞内での光合成タンパクが移動していることが明らかとなった。この結果は利用できる窒素の化学形態に関わらずフィコエリスリンは一部しか光合成に利用されていないことを示す。
C. watsoniiは一部の細胞が窒素固定を休むことが明らかになっており、窒素固定を休む細胞が存在することにより、コミュニティとしてエネルギーを節約して分布を深層まで拡大できると考えられている。他方、フィコエリスリンは光合成に必要な光エネルギーの吸収する他、窒素源としての役割が知られてきたが、新たに抗酸化剤としての役割が明らかとなってきた。発表では窒素固定のON/OFFとフィコエリスリンの関連について考察する。