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[AOS18-03] 自律型海洋観測装置(AOV)のGNSS観測データを用いた天文最低低潮面算出の取組
キーワード:GNSS、潮位、潮汐観測、楕円体
自律型海洋観測装置(AOV:Autonomous Ocean Vehicle)は波の上下動を動力源として自律的に移動する無人の観測プラットフォームであり、複数の観測機器を搭載して気象及び海象観測を行っている。AOVにはGNSS測定装置を搭載しており、アンテナの上下動から潮位を観測することで験潮器の設置が困難な離島周辺や外洋に面した自然海岸付近での潮汐観測を可能としている。また、AOVは太陽光発電により給電するため長期間の海上運用が可能である。海上保安庁海洋情報部では、2016年から西日本海域を中心にAOVによる潮汐観測を実施している。潮汐観測では、天文最低低潮面(LAT:Lowest Astronomical Tide)を求めLATの楕円体高を算出している。本発表では、AOVのGNSS観測データを用いたLATの算出手法とその精度評価について報告する。
AOVを用いたGNSS観測は隠岐諸島周辺海域で2017年度から2022年度にかけて実施した。まず、GNSS観測データをPPP-AR解析にかけ、フロート解を除去したのちにスムージング処理を施すことで毎正時潮位データを得た。毎正時潮位データの精度評価として調査海域の近隣の験潮所である島根県隠岐諸島島後に位置する気象庁所管の西郷検潮所の潮位データを基準潮位とし、外れ値の除去を行った。最後に調和定数を算出して19年間の潮位推算を行い、その中で最も低い潮位をLATとしてLATの楕円体高を求めた。
算出手法の精度評価として、西郷検潮所の潮位データからLATの楕円体高を求め、AOVのデータと比較した。その結果、0.19 mの差が生じた。差の妥当性を検討するため国土地理院作成の「ジオイド2024 日本とその周辺」(試行版)を用いてAOVの観測海域中心と西郷検潮所のジオイド高を取得した。2地点のジオイド高の差は0.22 mであり、LATの楕円体高の差はジオイド高の差に起因していると考えられる。以上の結果から、LATの算出手法は妥当であることが示された。
AOVを用いたGNSS観測は隠岐諸島周辺海域で2017年度から2022年度にかけて実施した。まず、GNSS観測データをPPP-AR解析にかけ、フロート解を除去したのちにスムージング処理を施すことで毎正時潮位データを得た。毎正時潮位データの精度評価として調査海域の近隣の験潮所である島根県隠岐諸島島後に位置する気象庁所管の西郷検潮所の潮位データを基準潮位とし、外れ値の除去を行った。最後に調和定数を算出して19年間の潮位推算を行い、その中で最も低い潮位をLATとしてLATの楕円体高を求めた。
算出手法の精度評価として、西郷検潮所の潮位データからLATの楕円体高を求め、AOVのデータと比較した。その結果、0.19 mの差が生じた。差の妥当性を検討するため国土地理院作成の「ジオイド2024 日本とその周辺」(試行版)を用いてAOVの観測海域中心と西郷検潮所のジオイド高を取得した。2地点のジオイド高の差は0.22 mであり、LATの楕円体高の差はジオイド高の差に起因していると考えられる。以上の結果から、LATの算出手法は妥当であることが示された。