14:30 〜 14:45
[AOS18-10] FVCOMを用いた大阪湾の流況解析~潮流の精度評価~

キーワード:FVCOM、潮流、潮位、HFレーダ
潮汐周期以上の物質輸送は残差流によって駆動されるため、残差流分布を明らかにすることは海洋環境の把握に役立つ。Fujiwara et al.(1989)では、国や地方自治体等で収集された潮流の観測調査資料を数十年分用いて、大阪湾の残差流分布を示した。近年大阪湾では沿岸開発が進み、沿岸地形が変化しているが、これに対応した残差流分布を示した研究は少ない。本研究では3次元海洋モデルFVCOM (Finite-Volume, primitive equation Community Ocean Model)を用いて、鉛直方向の海水循環を含めた立体的な残差流の分布と成因を明らかにすることを目的として、2015年の大阪湾を対象にシミュレーションを行った。
2015年1月1日9時から6月1日9時までをスピンナップ期間とし、7月1日9時まで計算した。解析は6月1日9時から6月30日9時までの結果を用いて行った。計算の境界条件として、海洋モデルDREAMSから得られた流量フラックスと水温、塩分、潮位の値を側面境界に与え、CFSv2の熱フラックスデータとMSMの風速値を海面境界に与えた。また、河川水の流入量は水文水質データベースから取得した値を与えた。潮流再現性の評価には、潮位の定点観測値、潮流推算の流速値、海洋短波レーダ(HFレーダ)による表層の流向、流速値を使用した。いずれの観測・推算データも解析期間と同期間のものを使用した。
シミュレーションの結果、HFレーダで観測された流向、流速と、FVCOMの流向、流速に大きな違いが見られ、流速の相関係数は、東西方向成分で0.22、南北方向成分で0.24と非常に低い値を示した。大阪湾の流況を構成する吹送流、密度流、潮流のうち、まずは周期成分である潮流の再現性の検証を行った。DREAMSの潮位の値のみを境界に与えたシミュレーションを行い、潮流推算とDREAMSと比較した結果、周期は概ね一致していたが、位相は潮流推算に比べて2時間程度遅れていた。また、FVCOMとDREAMSの流速は潮流推算に比べて過小という結果を得た。FVCOMの潮位の値と実観測値との比較を行った結果、振幅、位相はともに実観測に近い結果が得られた。潮位に関してラグ相関を取ったところ、外部境界付近から最も遠い大阪、神戸ではタイムラグが1時間、相関係数は0.93という結果が得られた。次いで境界から遠い洲本、淡輪ではタイムラグが30~50分で相関関係が0.95、最も境界に近い和歌山ではタイムラグが30分かつ相関関係は0.95となり、境界に近いほどタイムラグが小さく、高い相関が得られた。
以上から、FVCOMでは潮位の再現性が高い一方で潮流の再現性は悪く、観測値との相関は低いという結果が得られた。これは、地点間の潮位差から潮流を求めるプロセスに問題があると考えられる。
2015年1月1日9時から6月1日9時までをスピンナップ期間とし、7月1日9時まで計算した。解析は6月1日9時から6月30日9時までの結果を用いて行った。計算の境界条件として、海洋モデルDREAMSから得られた流量フラックスと水温、塩分、潮位の値を側面境界に与え、CFSv2の熱フラックスデータとMSMの風速値を海面境界に与えた。また、河川水の流入量は水文水質データベースから取得した値を与えた。潮流再現性の評価には、潮位の定点観測値、潮流推算の流速値、海洋短波レーダ(HFレーダ)による表層の流向、流速値を使用した。いずれの観測・推算データも解析期間と同期間のものを使用した。
シミュレーションの結果、HFレーダで観測された流向、流速と、FVCOMの流向、流速に大きな違いが見られ、流速の相関係数は、東西方向成分で0.22、南北方向成分で0.24と非常に低い値を示した。大阪湾の流況を構成する吹送流、密度流、潮流のうち、まずは周期成分である潮流の再現性の検証を行った。DREAMSの潮位の値のみを境界に与えたシミュレーションを行い、潮流推算とDREAMSと比較した結果、周期は概ね一致していたが、位相は潮流推算に比べて2時間程度遅れていた。また、FVCOMとDREAMSの流速は潮流推算に比べて過小という結果を得た。FVCOMの潮位の値と実観測値との比較を行った結果、振幅、位相はともに実観測に近い結果が得られた。潮位に関してラグ相関を取ったところ、外部境界付近から最も遠い大阪、神戸ではタイムラグが1時間、相関係数は0.93という結果が得られた。次いで境界から遠い洲本、淡輪ではタイムラグが30~50分で相関関係が0.95、最も境界に近い和歌山ではタイムラグが30分かつ相関関係は0.95となり、境界に近いほどタイムラグが小さく、高い相関が得られた。
以上から、FVCOMでは潮位の再現性が高い一方で潮流の再現性は悪く、観測値との相関は低いという結果が得られた。これは、地点間の潮位差から潮流を求めるプロセスに問題があると考えられる。