日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS20] 海洋化学・生物学一般

2025年5月27日(火) 10:45 〜 12:15 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:安中 さやか(東北大学)、大林 由美子(愛媛大学)、川合 美千代(東京海洋大学)、座長:安中 さやか(東北大学)、川合 美千代(東京海洋大学)

11:45 〜 12:00

[AOS20-05] 偏光フィルターを活用した藻場マッピングのサングリント低減手法の検討

*大沼 七奈1堅田 凜平2,7徳植 啓康7、佐々木 優衣3,7柴田 眞子4,7成瀬 延康5高橋 幸弘6,7 (1.淑徳与野高等学校、2.明治大学大学院 農学研究科、3.立命館大学大学院 生命科学研究科、4.エジンバラ大学、5.滋賀医科大学 医学部、6.北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻、7.NPO法人 スーパーサイエンティストプログラムプラス)


キーワード:藻場モニタリング、UAV、偏光フィルター、サングリント

近年、沿岸域における藻場の分布変動が顕著となり、その減少は水生生物の生息環境や漁業資源に深刻な影響を及ぼしている。実際、過去50年間でコンブ林が減少した地域は全体の38%に達する一方、増加した地域は27%に留まると報告されている。こうした藻場は年ごとの変動が大きいため、その動態を正確に把握し、沿岸生態系の保全および適切な管理を行うには、高頻度かつ高精度なマッピングが不可欠である。
従来、藻場のマッピングには衛星画像、航空機搭載の光学センサー、音響装置、水中カメラ、目視観測などが用いられてきた。しかし、近年は空間解像度とコストのバランスの観点から、無人航空機(UAV)を活用したモニタリングが注目されている。UAVによる水中環境の観測では、センサーの観察角度と光の反射角が一致することで生じるサングリント(太陽光の水面反射)が大きな課題となる。先行研究では、サングリントがデータの質を低下させ、分析の精度を損なうことが指摘されている。その影響は太陽高度に依存し、直下視角・視野角94°の条件下では、信頼性の高い藻類マッピングのための理想的な太陽高度は6.5°~約40°と提言されている。しかし、この条件は観測可能な時間帯を制約し、広域モニタリングの柔軟性を低下させる要因となっている。
本研究では、UAVによる藻場マッピングにおいて、偏光フィルターを用いたサングリント低減により、観測時間帯の制約を緩和することを目的とする。そのためには、太陽光の角度に依存するサングリントの偏光フィルターによる低減効果が、波長ごとにどのように異なるかを明らかにする必要がある。そこで、本研究では室内に水草を設置した水槽を用い、光源の反射スペクトルの角度依存性を分光器(420–840 nm)で計測する。これにより、観測可能な時間帯の制約がどの程度緩和されるかを検討する。
本実験では、室内に水槽を設置し、水草を水面下に沈めた状態で、ハロゲンランプを用いて鏡面反射が発生する環境を再現した。偏光フィルターの角度とハロゲンランプの照射角度を独立に変化させながら、それぞれ水面からの反射スペクトルを測定した。また、サングリントは風や波によって変化するため、水面に風を当てた場合と無風状態でのスペクトルを比較し、その影響を検討した。詳細な結果については、当日報告する。
本研究の一部は、公益財団法人電気通信普及財団による「ICTとハンズオンを併用したSDGs課題解決能力を有する人材育成法の開発(滋賀医科大学、2024年度)」の助成および、NPO法人スーパーサイエンティストプログラムプラスによる支援を受けた。