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[AOS20-P02] 西部北太平洋亜寒帯海域および亜熱帯海域の中層への炭素隔離効率の季節変化
キーワード:生物炭素ポンプ、窒素安定同位体、西部北太平洋
2010年から2014年にかけてHNLC海域である西部北太平洋亜寒帯の観測点K2と貧栄養な亜熱帯観測点S1の水深500mで係留式セジメントトラップ実験を行った。採集された沈降粒子の窒素安定同位体比δ15Nsinkの実験期間平均値は両測点で同程度であったが、K2の月別値は冬に高く夏に低い、S1では夏に高く冬に低いという対照的な季節変化を示した。これらのδ15Nsinkは、粒子状有機炭素フラックス(FPOC)だけでなく、船舶観測中に測定された純基礎生産力(NPP)とも有意な負の相関を示した。これらの経験的回帰とδ15Nsink月平均値を用いて、500 m以深へのPOC隔離効率Seq(500)(= FPOC/NPP)を算出した。K2におけるSeq(500)は季節的にあまり変化しなかったが(7.4%–8.1%)、S1では3.4%(6月)から6.5%(3月)まで変動した。このような季節性の海域差は、沈降粒子凝集体の凝集力と沈降速度(SV)の違いに起因すると考えられる。S1では、冬季ブルーム期に凝集体中のCaCO3質量割合が増加するとSVと凝集力が上昇・増大する。一方、K2では、夏季ブルーム期に生物源オパールの割合の増加に伴い凝集力が高まり、CaCO3割合の減少によるSVの低下を相殺する。